〈古文〉助動詞「まし」の意味と用法

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助動詞「まし」

 助動詞「まし」は反実仮想などで使われる助動詞ですね。具体的に3つの意味があるので、今日はそれについてマスターしましょう。

接続・活用

〜「まし」の活用〜

ましか(ませ)・○・まし・まし・ましか・○

 また、未然形に接続します。代表的な意味は「反実仮想」であり、「反実=事実と反する=未だ起こっていないこと」なので未然形がぴったりですね。

意味

反実仮想

 代表的な意味は、反実仮想です。訳す際には「もし〜なら、…だろうに」とします。「事実とは反した仮想」ですからね!

例)桜のなかりせ春の心はのどけからまし
(もし桜がなけれ、春の心はのどかだろうに

 例文では桜を使いましたが、世の中に「桜がない」という事態はありませんね? だから、”反実”なのです。裏を返せば、「桜があるせいで、春は落ち着いていられない」ということですね。ちなみに、上の文は伊勢物語に登場します。なんてロマンチックなのでしょう。

 識別方法はわかりやすいので大丈夫ですね。一応以下の通りにまとめておきましょう。

反実仮想は、「ば、…まし」の形!

ためらいの意志

 また、ためらいの意志の意味もあります。「〜しようかしら」という、ややためらった意志です。通常の意志の訳は「〜しよう」ですからね! 「かしら」がついている分、少し後ろ向きなニュアンスが出ていると考えてください。

例)いかにせまし(どうしようかしら

ためらいの意思には「疑問」の言葉がセット!

 ためらいの意思では、「いかに」などの疑問詞や、「や」「か」などの疑問の係助詞と一緒に使われることが非常に多いです。これがためらいの意志の目印だと思ってください。

実現不可能な希望

 実現不可能な希望を表すこともできますね。これについては、「〜したら良いのに」という意味です。実現することができないが、それでも叶ってほしい希望です。

例)病気がおこたらまし(病気が治ってくれれば良いのに

 もう治らない病気に対して、感じる希望ですね。こういうときに使うのが実現不可能な希望です。

まとめ

 今回は、助動詞「まし」について解説しました。次回以降、推量系の助動詞について解説していきます!

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