〈古文〉助動詞「る」「らる」の使い方 〜4つの意味を識別しよう〜

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助動詞「る」「らる」

 助動詞「る」「らる」は4つの意味をもつ助動詞になります。現代語で言うなら「れる」「られる」と全く同じだと考えてください。今回は、活用や使い方、意味の見分け方について解説します。

接続・活用

 まずは活用からみましょう。

〜「る」の活用〜

れ・れ・る・るる・るれ・れよ

〜「らる」の活用〜

られ・られ・らる・らるる・らるれ・られよ

 接続については、「る」「らる」ともに未然形接続です。ただし「る」と「らる」で接続する動詞が違ってきます。「る」については、四段・ラ変・ナ変に接続します。「らる」はそれ以外の動詞に接続します。

「る」「らる」の意味

 助動詞「る」「らる」は4つの意味を持っています。ベースは現代語の「れる」「られる」をイメージしてください。

自発

 まずは自発ですね。訳は「自然と〜」「ふいに〜」くらいがいいんじゃないですかね。

例)思いやらるる自然と思いやられる)

可能

 次は可能です。訳は「〜することができる」が良いでしょう。

例)信ぜられず(信じられない)

受身

 さあ続いては受身ですね。訳は「〜れる」とか受け身の感じで訳してください。

例)君に問ひつめられて(あなたに問い詰められて)

尊敬

 さあ、ラストは尊敬です。訳は「〜なさる」とかが定番ですね。

例)ものをおぼさ思いになる

識別

 まあ4つの意味については現代語の「れる」「られる」を思い浮かべれば余裕だと思いますが、その識別を感覚でやろうとするのはかなり至難の技ですから、しっかり見分け方を覚えましょう

ルール① 後ろに打ち消しがあれば、ほぼ「可能」

 まずはこれですね。後ろに打ち消しの助動詞「ず」があれば、ほぼ間違いなく可能で訳していいです。正確には「可能+打ち消し=不可能」ですかね。

ルール② 知覚動詞の後ろについたら「自発」

 知覚動詞って分かりますか? 「知る」「見る」「聞く」「思ふ」「しのぶ」とかですね。こう言った言葉の直後に「る」「らる」がついていたとき、それは大方自発です。

 自発というのはそもそも「自然と〜」みたいな訳ですもんね。「走る」みたいな動詞に自発の意味で取る「れる」が付くと意味不明ですよ。「自然と走る」。ヤバいやつだよね(笑)

ルール③ 尊敬語の後ろについたら「尊敬」

 尊敬語の後ろについた「る」「らる」は尊敬の意味になります。まあ二重尊敬っていうものの一種だと捉えてください。

 また、主語が貴人などの偉い人の時、大方「尊敬の意味になります。

ルール④ 「(動作の相手)に」があれば「受身」

 これが分かりにくいね。受身となるためには、動作を能動的に起こす人が必要なわけです。その人について記述があれば、受身の意味になります。

まとめ

 以上が助動詞「る」「らる」の解説です。まあこれは識別ができるかがポイントです。4つの意味を全て覚えた上で、識別方法を完全マスターしましょう。

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