【残り1か月!】Study by TMTが考える共通テスト ~共通テストの変更点と問題点~

共通テスト

 皆さんこんにちは。共通テストまでいよいよ残り1か月となりました。今回は共通テストの変更点とそれによる利点・欠点をまとめてみました。

英語

 共通テストで最も注目されたのがズバリ英語ですね! 英語の試験はこれまでと大きく変わりました。

共通テスト英語の変更点

・リーディングの問題が全問長文問題に

・リーディングとリスニングの配点が1:1に

・グラフを読み取る問題など総合的な問題の出題

・リスニングで1回読みの問題の出題

 主な変更点は以上のとおりです。これについては、悪い改革ではないと思います。これまでのリーディングテストでは、文法問題・発音アクセント問題など幅広く出ていたわけですが、まあ確かに発音アクセント問題がそれほど重要かというとそうでもないですね… 速く正確に読み取る力が問われるのがリーディングです。リスニングについては、センター試験よりも難易度が上がり、配点も大きくなっていますね。

 ただ私が問題だと思っているのは、リーディングが”英語力”よりも”体力”や”精神力”が問われているところです。まだ問題を見たことない人はぜひ一度、予想問題を解いてみてください。80分で10長文解かなければなりません。とにかく大変です。疲れます。個人的には、問題数と時間を相当数減らしても英語力を測れると思うんですがね。あとはまあ、グラフを読み取る力を英語の試験で問う必要があるかと言われれば、正直微妙ですけどね…

数学

 数学の変更点は以下の通りです。

数学の変更点

・数学ⅠAの試験時間が60分から70分に

・数学の問題内で、会話文形式の出題

 数学ⅠAの試験時間が10分伸びたことはどうでもいいことです。問題は、会話文です。これがゴミなんですよ。本当にひどい。太郎さんと花子さんが解法について話しています。センター試験のようなスムーズな誘導をしてくれず、会話文を読まなければならないのが共通テストです。

 入試センターは何がしたいんでしょうね? 読解力でも図りたいのでしょうか? こんなもので読解力は図れないのが現実だと思いますけどね。

国語

国語の変更点

・1題で別の長文やグラフなどサブ資料の出題

 国語については悪い改革ではなさそうですよね。基本的にはそんなにセンター試験と変わりません。古文の中に現代文が入っていたり、2種類の漢文が出てきたりという新たな試みがありますが、英語ほど”精神力”勝負にはなっておらず、しっかりセンター試験ができれば問題なく解けます。

社会

社会の変更点

・資料及び史料問題の大幅増加

  これが大問題なんですよ。ちょっと力説したいと思います。本当にこれはおかしい。

近世の村と文書に関する次の資料A・Bについて述べた文a〜dについて,正しいものの組合せを,下の 1 〜 4 のうちから一つ選べ。

資料A 幕府が代官に示した法令

年貢等勘定以下,代官・庄屋に百姓立ち会い相極きわむべく候(決めるべきである),毎年その帳面に相違これ無しとの判はん形ぎょう致し(印を押す)おかせ申すべし,何事によらず庄屋より百姓共に非ひ分ぶん申しかけざる様に(不正な言いがかりを付けないように)堅く申し渡すべき事

                               (『御触書寛保集成』)

資料B 信濃国五郎兵衛新田村の百姓が名主を訴えた訴状村方入用帳(村の会計帳簿)と申すもの天保年中よりこれ無く,百姓代に筆算致させず,すべて自分日記へ付け込み,……(名主以外の村)役人に一切相わからざる様取り計らいの事

                               (『柳沢信哉家文書』)

a 資料Aでは,年貢等の勘定に際し,百姓が不正な言いがかりを付けないよう,書類に印を押させることが定められている。

b 資料Aでは,村で庄屋が年貢等の勘定を行う際には,百姓にも関係書類を見せて公正に行うべきことが定められている。

c 資料Bから,全村民が各自の日記に村の諸費用を記録し,名主を監視した例があることが分かる。

d 資料Bから,村で名主が諸費用の勘定を一人で行ったために,名主が訴えられた例があることが分かる。

1 a・c   2 a・d   3 b・c   4 b・d

第2回試行調査【日本史】より抜粋

 この問題、日本史を学習していない方でも解けますよね? ただの”古文読解”です。日本史では、こういう史料を読み取る”だけ”の問題や、グラフを読み取って計算させられる問題などが新たに出題されます。古文読解の力は人生において必要ないとまでは言いませんが、さすがに日本史の試験でこれを出すのはいかがなものかと思います。

 世界史においては現代語訳された史料が出てきます。さすがに原文では出ないですね。インダス文字とか出されても困るもんね(笑)。つまりこちらは現代文読解ですね。地理で図がいっぱい出てくるのは仕方ないことでしょうが、日本史・世界史という努力メインの教科で努力を裏切るような問題を出されるのは、かなり残念なことだと思いますね。

 現代社会においては図やグラフの量が多くなりました。ほかの社会科目と同様の傾向です。ページ数が増え、読む量が多くなりました。以下がそのデータです。

過去三年センター試験過去二回試行調査
図・グラフ2.711
ページ数35.741.5

また、全体の流れを把握していないと解けない問題が目立ちました。

理科

理科の変更点

・選択問題出題の廃止

 これについては別によさそうですよね。選択問題が廃止され、全問必須問題となりました。あとは日常生活にかかわる問題の出題も増えてますかね… そんなに日常生活と絡めたいのか、私にはあまり意味が分かりませんけど…

まとめ

 共通テストの改革は、国を挙げての改革の割には、そこまで大きくは変わらないのが実情です。一番変わったのは名前ですね(笑)。しかし微妙に変えていることが、非常に意味が分からないです。英語の配点はともかく、基本的にはセンター試験のほうがよかったと思いますよね…

 実際の共通テストが開催されたのち、またレビューを発していきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました