〈政経〉参院選で話題の「参政党」について解説! 

公民

※この記事は、特定の政党への投票・支持・反発を促すものではありません。

 今回は政党解説の特別編です。参議院選挙2022で話題となっている「参政党」について、「一体何者なのか」「政策はあるのか」「議席を持てそうなのか」色々と皆さんが疑問に思うことがあると思うので、ここで解説していきます!

参政党って政党なの?

 結論から言いましょう。参政党は、政党ではなく政治団体です。そもそも、政党とは公職選挙法などに明確に定義が書いてあり、「政治団体のうち、所属する国会議員を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票を得たもの」とされています。つまり政党は政治団体ですが、政治団体の中でも政党になれないものもあるわけですね。

 参政党は今回の参議院選挙が初の国政選挙になるので、もちろん議席もないですし、選挙経験もありません。よって政党要件を満たすことはできません。あくまで諸派という扱いになり、テレビ等で放映されることもほとんどありませんね。

参政党はどうして作られた? 誰が作ったの?

 参政党が作られた理由については、HPの内容をまとめます。「仲間内の利益を優先する既存の政党政治では、わたしたちの祖先が守ってきたかけがえのない日本がダメになってしまう」という危機感を持った有志が集まってゼロから作ったそうです。そのため、特定の支援団体や資金源もなく、自分達で知恵やお金を出し合っているそうです。

 一般的に政党には支持母体というものがあります。自民党には農協や経団連、立憲民主党には連合、公明党には創価学会、日本共産党には全労連などがあります。有名政党で支持団体がないのは、日本維新の会とかですね。そういった支持団体・圧力団体が一切ないのが参政党です。

 要は「自由民主党は嫌だけど、立憲民主党にも入れたくない。日本維新の会もいまいち」みたいな考えの人が作り、支持しているわけですね! ちなみに、代わりに寄付金を集めていますが、その総額は390,621,866円(7/7 13:10時点)にまでのぼります。およそ4億円ですよ! 国民の関心をいかに集めているか、あるいは今の政治体制にいかに興味のないor不満がある人が多いかよくわかりますね!

 中心メンバーは5名います。その中でも代表的なのは、事務局長の神谷宗幣さんですね。2007年に吹田市議会議員に初当選し、2012年には自民党の大阪13区支部長として衆院選に立候補しましたが、ここでは日本維新の会の候補に敗れてしまいました。その後2020年に参政党を結成しています。そして今回の参議院選挙に全国比例区から出馬しています。

参政党の選挙公約は?

 参政党では、いくつかの公約を掲げているのですが、その中でも3つの重点政策について、ここで紹介していきます。

※参政党のHPを参考に記述しました。

子供の教育

 1つ目は子供の教育です。学力より学習力を重視しています。具体的には、フリースクールを地方自治体が作れるようにする法改正、他者に依存しない人生が設計できる公教育の実現、国や地域や伝統を大切に思える自尊史観の教育を掲げています。

食と健康、環境保全

 2つ目は、食と健康と環境保全です。具体的には、医療資源の適正配分による膨張する医療費の抑制、農薬や化学薬品を使わない農業や漁業の推進、食品表示法の見直し、日本版SDGsの実現を掲げています。

国のまもり

 3つ目は、国のまもりです。目的は日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくりです。具体的には、外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定、外国人労働者の増加抑制、外国人参政権の不承認、新たなデジタル政府通貨の導入を掲げています。

 少し極端な言い方ですが、一種の”攘夷”に近い考え方ですかね? ただ、日本は比較的移民や難民の受け入れが少ない国なので、こういった考えに同調する人が諸外国よりも多いかもしれませんね!

参政党は反ワクチン派??

 新型コロナウイルスに対する考えも、少し独特なものを持っています。

 参政党では従来より新型コロナウイルスへの対応にかなり反発していました。政府の対応を緩めた方がいいと主張していたのです、マスク着用の自由化、5類以下への指定分類の引き下げ、無症状者へのPCR検査の廃止などを主張していました。さらに行動制限や緊急事態条項には大きく反対しています。

 一番すごいのはワクチンへの反対です。ただし、「ワクチンを禁止する」という主張ではなく、「ワクチンの接種の強要につながる施策に反対する」という主張です。政府としてはワクチン接種を推進することで、新型コロナウイルスを抑えていきたい考えでした。そのために、ワクチンパスポートの導入や接種済み証の提示による割引など、接種を促す政策が公私問わず数多くありました。こういった仕組みに対してはかなり強く反対しています。

今回の選挙で議席を取れるの?

 そんな参政党、今回の参議院選挙で50名を擁立しています。45の選挙区全てに1人ずつ擁立し、全国比例ブロックで5名擁立しています。これは政党以外の政治団体で最多ですね。

 一応現状の各所の予測だと、参政党が全国の比例ブロックで1議席獲得できる可能性が高まっているようです。選挙区は大変な戦いになるかもしれませんが、全国1ブロックでは、国民の支持が多いとたくさん当選することができます。日に日に勢いを増している参政党ですから、今後も支持が拡大した場合、複数議席獲得の可能性もあるのではないでしょうか。

まとめ

 今回は、参政党について解説しました。Twitterでは最近トレンド入りすることが多く、しかも全国全ての選挙区に候補者を擁立したという本気度も見てとれます。その上、活動資金が4億円近くも集まっています。これはどうなっていくのか、今後が楽しみですね!

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