〈古文〉断定の助動詞「なり」の用法 〜断定と存在と伝聞推定の識別〜

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 こんにちは! 今回は、断定の助動詞「なり」について解説していきます。伝聞推定の「なり」との区別も見ていきましょう!

助動詞「なり」

 助動詞「なり」は、断定の助動詞です。同じ音で伝聞推定の「なり」もありますので、それとの見分けも必要ですね。

活用・接続

〜「なり」の活用〜

なら・なり・なり・なる・なれ・なれ
    に

 接続は、体言・連体形です。

意味

断定

 まずは、断定の意味です。訳す際は、「〜である」「〜だ」でいいと思います。

例)尊き人なり(尊い人である

存在

 また、存在の意味もあります。訳す際は「〜にいる」「〜にある」と訳します。場所や方角を表す体言に接続して、そこに存在していることを表します。

例)春日なる(春日にある

識別

断定か存在か

 断定か存在かを識別できれば訳せます。この識別については、助動詞が接続している言葉に注目します。

「地名や方角+なり」の形であれば存在、それ以外は断定

 シンプルですね。地名や方角がないと「〜にある」と訳すことができないので、上にある体言を見て判断しましょう!

伝聞推定の助動詞との見分け方

 また、断定の「なり」と伝聞推定の「なり」を識別しないとお話しになりませんね。その識別方法は、接続で見分けます。

断定…連体形・体言に接続
推定…終止形に接続

 ただし、世の中には終止形と連体形が同じ形のものがあるんですね。四段動詞なんかはその代表ですよ。そういった際には、根拠となるような伝聞耳で聞いたもの)があるかどうかで見極める必要があります。それがあれば推定の根拠があることになるので、伝聞推定の「なり」になります。

 伝聞推定の「なり」はこちらの記事で解説しています!

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