〈政経〉政党解説 国民民主党

公民

 こんにちは、衆議院議員総選挙に向けて政党を解説しています。今日は国民民主党ですね。現在の国民民主党に加えて、旧・国民民主党や希望の党についても同時に解説していきます。

党史

前史

 2012年、3年以上にわたって政権を取っていた民主党が、衆議院議員総選挙において完敗しました。それ以後、民主党の人気は小さなものになってしまったわけです。2015年に行われた衆議院議員総選挙でも調子は奮いませんでした。

 一方、2017年7月に行われた東京都議会選挙において、東京都知事の小池百合子率いる都民ファーストの会が圧勝しました。調子に乗った小池百合子は、衆議院総選挙でも自らの政党を作りました。これが希望の党です。

希望の党

 2017年の衆議院議員選挙が迫る中、民進党(民主党と維新の会が合流した政党)の前原誠司代表は、希望の党との事実上の合流案を打ち出しました。これで衆議院総選挙に立候補する多くの民進党の議員は希望の党の公認候補として出馬することになります。一方、これに反発した民進党議員は立憲民主党を結党し、衆議院議員総選挙を戦いました。

 結果は、まあはっきり言って微妙でしたね。野党第一党には立憲民主党がなりました。まあ小池百合子さんは出ませんでしたしね。枝野幸男さんの立憲民主党の方が盛り上がってましたよね。この結果を受けて、共同代表選挙が行われ玉木雄一郎が就任しました。程なくして、小池百合子は都政に専念するとして、代表を辞任しました。ちなみに分裂した民進党は、参議院議員がまだ残っていましたので、もちろん存続はしましたが、責任をとって前原誠司は代表を退き新たに大塚耕平が代表に就任しています。

 ややこしいですが、この時点で旧民主党・民進党系の人たちは、枝野幸男率いる立憲民主党、玉木雄一郎率いる希望の党、大塚耕平率いる民進党の3つに分裂しています。

旧・国民民主党

 2018年(つまり選挙から1年後)、民進党と希望の党が合流する構想が出てきました。実際にこの構想が実現に移され、新たに成立したのが国民民主党です。初代代表は、大塚耕平と玉木雄一郎の共同代表という形が取られました。

 ただしかつての民進党と希望の党に所属する国会議員全員が参加したわけではなかったため、合流後であっても立憲民主党には届きませんでした。その後、玉木共同代表は「国民民主党を中心とする政権交代を2022,2023年をめどに実現したい」と発表するなど、堂々と出発しました。支持率は0.8%でイマイチでしたけどね。

 なお、その後に改めて代表選挙が実施され、玉木雄一郎が単独代表に就任しました。さらに2019年になると、小沢一郎率いる自由党が合併しました。まあ野党はだいぶ固まってきましたね。立憲民主党と社民党でも統一会派を作るなどして連携を進めました。

 そうなってくると次に思い浮かぶことはただ一つですね。立憲民主党と国民民主党の合流ですよ。これらの政党が合流すれば、かつての民主党のような大きな野党になりうるわけです。ということで両党の党首や幹事長が何度も会談しましたが、結局合意には至りませんでした。まあ両党ともに譲れないものがあったんですよね。

新・国民民主党

 大きく動いたのは2020年の夏です。7月に両党幹事長が会談し、合併についての議論が本格化しました。立憲民主党側は、吸収合併方式を主張していましたが、最終的には譲歩して両党解党の上で新党を設立する方針となりました。また、党名についても立憲側は「立憲民主党」を提示しましたが、国民側は「民主党」を主張していました。最終的には、党名や代表も投票によって決めることになりました。

 国民民主党内では合流する派と合流したくない派にやはり分かれます。国民民主党の玉木代表は、最終的に、残る人と出ていく人に分かれる「分党」という形をとることにしました。残る人たちも、一度政党を解党して新党を作ることにしました。

 最終的に、合流新党は「立憲民主党」になり、残留組の新党は「国民民主党」となりました。国民民主党の新代表も改めて玉木雄一郎が選出されました。多くのメンバーが立憲民主党に合流してしまったため、小さな政党になってしまいましたが、それでも独自路線を維持していく方針としました。実際に、2021年の首相指名選挙においては、立憲側から「枝野幸男」とするように言われたのに対し、国民民主党は拒否しています。立憲民主党や社会民主党とは一線を画しています。

 今回の選挙では、立憲・共産・社民・れいわが4党で共同の政策協定を結びましたが、こちらには署名しませんでした。代わりに立憲民主党と別の協定を結んでおり、国民側の出馬者がいる選挙区の多くでは立憲民主党から公認候補を出さないようにするなど、選挙協力をしています。立憲とも自民とも違う独自の路線を打ち出して選挙で勝てるかどうかが今回注目されています。

政策

 まあこの政党はこれといった政策がないのも事実です。はっきりしていることとしては、自民党に色々文句をつけつつ、政党として納得いけば協力するという立場を取っています。他の野党とも協力したりしなかったりという感じですね。

 まあ自分の考えを維持するのは大事なことですよね。憲法改正に対しても完全に反対というわけではないです。

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