今回の流れ
文科省の会議で共通テストへの英語民間試験の導入の断念が正式に決まりました。
元々の共通テストは、記述式問題と英語民間試験を導入することがメイン柱でした。しかし2019年の段階で一旦見送りとなり、半年前の第1回共通テストは”柱無き新入試”になったわけです。そして4月の記述式見送り決定に加え、今回英語民間試験の見送りも決まりました。これで共通テストの2本柱がなくなったわけですね。
ちなみに、記述式や英語民間試験は個別試験での採用を促していくそうです。
History-tellerの見解
私の見解を示しましょう。記述式と民間試験を見送ることは賢明な判断だと思います。
記述式についてですが、たしかに今のマークシート式入試制度が正しいとは言いませんが、記述式を導入することで採点の公平性が損なわれるなど、そもそも入試の根本が変わってきてしまいます。入試というのは、正しい試験である以前に、公平な試験である必要があります。
英語民間試験についてですが、これも世間でよく言われているのは「金持ちであればあるほど、試験をたくさん受験できるのはおかしい」ってことですね。まあそれもあるとは思いますけど、私はそもそも「民間試験を活用しよう」っていう動き自体がおかしいと思います。せっかく共通テストというほとんどの受験生が受験する試験があるのに、わざわざ別に試験を設ける必要性が分かりません。当然民間試験は共通テストよりも問題の機密性は低いでしょうし、異なる民間試験を1つの土俵に落とし込むこともまず不可能です。経済的な公平性という観点以前に、難易度的な不公平も存在してしまいます。
記述式や民間試験は大学入試の個別試験での採用を促すということでした。記述式については個別入試の規模であれば正直良いのかなとは思います。もちろん完全に公平な採点を実現するのは厳しいでしょうが、現在でも多くの国公立大学が記述式問題を採用しており、それが受け入れられています。反発も少なく実現できるでしょう。英語民間試験については私からすれば意味不明ですね。採用する学校は増えていますが、共通テストの英語の点数を見ればいいものを、わざわざ関係ない団体の試験結果を採用するというのはよく分かりません。私は民間試験の導入には大反対ですね。
TMT専属ライター。Study by TMT代表。
担当科目:国語・数学・英語・日本史・世界史・地理・公民・物理・化学・生物
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