【速報】現役受験生による共通テスト最速レビュー

共通テスト

 本日、第1回共通テストが終了しました。実際にStudy by TMTのライターが受験してきましたので、その感想を発信していきます。

 なお今回のレビューには、地学基礎・地学・数学Ⅰ・数学Ⅱ・簿記会計・情報関係基礎・日本史A・世界史A・地理Aは入っていません。

英語

リーディング

 試行調査と比べて大きく問題形式が変わりました。6題すべて長文問題であるということは変わりませんでしたが、出題方法や配点に大きな変更がありました。そのため英文自体のレベルはそこまで高くなかったのですが、初めて見る問題に対して混乱していた受験生が多かったように感じられます。

 速読力と図表の読み取り力が問われる問題だったと思います。予備校の予想問題をたくさん解いた受験生は裏切られた気持ちがあったと思います。

 我々TMTでは第3問の感情の変化を問う問題に備えて「感情語一覧表」を作りましたが、その問題は出題されませんでした。

リスニング

 リーディングほどではないにしてもやや難しい問題だったと思います。また、大問ごとの配点に大きな変動がありました。大問3では4題出題されることが予想されていましたが実際は7題でした。この影響で、大問5と6の配点が減らされています。また、大問6で同時に4人が会話する問題が出ましたが、これは誰が話しているか分からなくなった人が多かったようです。

数学

数学ⅠA

 数学ⅠAについては、昨年のセンター試験が難しかったこともあってか、難易度は試行調査よりは易しくなりました。大問別では大問1と大問2が問題文が長く、試行調査寄りでしたが選択問題の大問3から大問5はセンター試験寄りでした。

数学ⅡB

 今回の問題は試行調査よりもセンター試験に近い形式で出題されました。試行調査や予備校の予想問題に反して会話文が少なかったです。標準的な問題でした。試行調査と同様大問3が確立と統計分布になっていました。

国語

 各社の予想問題に反し、すべての問題が通し番号で問題が作られており、大問ごとに解答用紙を1列分使うような形式ではありませんでした。

現代文

 また、漢字の選択肢の個数が4つになっておりましたが、漢字そのものは少々難しかったです。

 評論文は比較的簡単でした。選択肢も選びやすかったです。一方小説は曖昧な選択肢が多く難易度が高かったと感じます。どちらとも文章が1つしかありませんでした。

古典

 古文については、『栄花物語』が出題されました。歴史物語の出題は久しぶりだそうです。選択肢については、2つまで絞れるけど最後が切れないということが多かったように感じられます。

 漢文については漢詩文と通常漢文の2本が出ました。同じような内容を異なる形式で出題されたため、片方が分かると芋づる式に解釈できるようになっています。

 

社会

世界史B

 今回は世界史で問われた内容が細かかった印象を受けています。私大を目指して勉強している人がとり安かったと思います。

 驚いたこととしては、大問1で巨大な史料問題が出たことです。フランス革命の知識を踏まえた上で解かなければならないものでした。また、各予備校の予想よりも資料問題や史料問題がやや多かった印象があります。

日本史B

 日本史は予定通りの悪問パレードでした。日本史の知識がなくても史料を見て解ける問題がいくつもありました。試行調査からの大きな変動はなかったです。

 いくつかピックアップしておきます。まず、1世紀・3世紀・5世紀の中国の支配領域地図を見て並べ替えるという問題が出ました。これは世界史をやっていない人には難しかったと思います。また、景山英子をテーマにした大問が作られ、大阪事件や平民社についての知識が問われました。これは共通テストにしては少し細かかったと思います。

地理B

 地理については、センター試験や試行調査と比べて図の読み取り問題が多くなりました。解答するのに時間がかかるようになり、難しいと感じた人も多かったと思います。

公民

 全体的には、試行調査とあまり大きな変化はなかったと思います。また、各社が出していた予想問題より少々時間がかかったという印象です。データから読み取る問題に時間をかけすぎると時間が足りなくなるかもしれません。

理科

物理

 数値計算が多く、正確に理解していることが求められる問題が多く苦戦した人も多いと思います。試行調査と似たような問題も見られました。

 思考調査からのズレはさほど大きくはなく、大問の順番は違ったもののセンターから難易度に変化はあまりないと考えられます。原子物理が蛍光灯に関する問題で運動量と関連していました。問題量が他と比べると少ないので一つあたりの配点が大きいところだけは慎重に解かなければならないと感じました。

化学

 全体的に優しかったと思います。

 その場で考えさせる問題も落ち着いて対応すれば難しいものではありませんでした。各社の予想問題よりも簡単で、試行調査での大問と分野の対応にずれはあったものの英語ほど裏切られた感はなかったです。問題量も60分の試験時間を考えれば妥当だと思います。

生物

 優しい問題と難しい問題が二極化していたものの、全体としては優しめで試行テストに似ていたと思います。

 第一問の問2でいきなりハーディ・ワインベルグが出てきて面食らった人もいたと思いますし、問5の植物の環境応答は難しいと感じました。実験から読み解く問題がわかりやすい問題で解きやすかったという印象です。

地学

※おまけです

 これまで一度も解いたことがなかったため、最後の最後でやってみようと思い立ってやってみました。よって、一切勉強をしていないので全くあてにならないレビューとなります。

 まず分からない単語が多く、そこで引っ掛かりました。よって、明確に正解だろうと思って解くということが全くできませんでした。当然ですね。これぞ感覚で解く極地といえなくもないでしょう。

 しかし、地学という教科は地理学だけでなく銀河系の話が出てきたりなど非常に興味がそそられるものでした。とてもよい体験ができたと思いました。

物理基礎

 物理基礎については、基本的な問題でした。分野としては、力学・波動・電磁気・熱力学からまんべんなく出題されました。

化学基礎

 化学基礎については、センター試験と大きな変化はありませんでした。最後の大問3だけが、初見の実験問題だったので、その場の判断力が求められていました。

生物基礎

 生物基礎については、グラフや図を読み取る問題が出題されました。これについては試行調査と同様だと思います。一方で、会話文をはじめとする文章を読む問題については試行調査と比べて減少しました。

まとめ

 共通テストという新たな試験が登場しましたが、実態は名前が変わっただけのものもあれば、試行調査から大きくずれたものもありました。特に英語が大きく変わったことは受験生を混乱に陥れる原因になったようです。一方で数学や理科は比較的標準だったため、理系の方が平均点が高くなると予想されます。

 また、国語や理科のマークシートが大問ごとではなく通し番号だったのは予想に反してました。

 今回の共通テストでは、選択科目によって大きく結果が分かれた可能性もあります。何がともあれ、確実な知識と実力をつけてきた人が高得点を取れた試験であったことは言うまでもありません。

コメント

  1. フェニルアラニン says:

    共通テスト第二日程の方が簡単なのですけれどもこれはどういう事なのでしょうか?

    • ナトリウムフェノキシド says:

      私も同感です。なんか簡単でしたよね~。
      もっとコーシー・シュワルツの不等式とか出してほしかったな~。私はスライドしか打ったことないので、わかんないけど笑

    • History-teller says:

      共通テストの追試については、通常として難しくなることが当たり前ですよね。だからこそ特例追試を受験する人が少なかったのでしょう。しかしながら、英語など傾向が変わった科目については明らかに追試の方が有利であり、他教科でも多くは前回並みあるいは前回以下の難易度で納得いかない人も出てくると思います。2/13・14に実施される追試の追試も注目してみないと何とも言えないですね…

  2. ウラジミール=ペーター=ケッペン says:

    今年度の大学入学共通テストで得点調整の発表がありましたがそちらについてはどうお考えでしょうか?

    • 編集部編集部 says:

      物理・化学・現代社会を受験したライターです。得点調整についてですが今回あまりにも生物の平均点が高かったので非常に助かっています。しかし多くの受験生が化学と物理を受けている現状(センター中間発表その2では[物理:145,988人][化学:182,299人][生物:57,856人])ですので判定等に関する大きな変化はないと予想しています。データネットでは各教科の点数分布表が見られますので、それを参考にすると今回の得点調整が妥当だと考えられます。

      • 省略 says:

        それでは共通テストのみで選抜すると発表した各大学の一連の対応についてはどうお考えですか?
        一次・二次での成績の相関は強いと考えられるが、個別で見た場合はいずれか一方のみに強い受験生も見受けられるはずであるため、その可能性を切ってしまうのは残酷である、というのが当人の考えです
        たとえコロナ禍であろうと、そもそも後出しは反則であると考えています

        • History-teller says:

          このコロナ禍において二次試験を中止せざるを得ない状況が起こってしまうことは、ある意味仕方のない部分があると言うしかありません。横浜国立大学や埼玉県立大学はこういった事態を見越して、初期の段階で二次試験の中止を宣言したことは既知の通りだと思います。これによって目指していた人が進学をあきらめた例もあったかもしれませんが、どうしても行きたい人は共通テストに対して全力で勉強をして勝ち取りに行ったでしょう。一方で昨日二次試験の中止を発表した宇都宮大学は、いくらなんでも反則です。実際に目指していた人からすると、自分の気づかぬ間に試験が終わっていたという状況に陥っており、当然のことながら二次試験での挽回は不可能になります。これは目指していた人の中で可哀想な人が大量に出てきますね。

          ちなみにそもそも一次試験だけで学力が測れるのかという話ですが、測れない部分が当然出てきますよね。一番は理系の数Ⅲですよ、理工学部に入ったのに数Ⅲできませーんって言い出す人が絶対出てくると思います。あとは英語ですね。共通テストの二次試験の英語はかなり異なるものになるので、これも二次試験がなくなることで影響が出てくるでしょうね。

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