〈古文〉敬語「たまふ」「たまはす」「たまはる」の攻略法

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 こんにちは! 今回は、敬語のど定番「たまふ」の文法的解釈と、似た単語の「たまはす」「たまはる」について説明します。

「たまふ」の用法

動詞「たまふ」

 まずは、普通の意味です。もちろん「たまふ」は敬語なのですが、「思ひたまふ」のように補助動詞として使われる方を一般的と思いがちですが、ちゃんと本動詞の用法もあります。

たまふ…尊敬語/くださる・お与えになる

 尊敬語(つまり動作主体に対して敬意を表す言葉)としての一般的な意味は、「与える」です。与える側に敬意が向くために現代語では「くださる・お与えになる」と訳します。

 例)我に酒たまへ。(私にお酒をください)

補助動詞尊敬語「たまふ」

 補助動詞には、尊敬語と謙譲語のふたつの用法があります。まずは尊敬語です。これは四段活用します。「読み給ふ」「書き給ふ」などですね。このときは、「読みなさる」「書きなさる」のように「なさる」と訳します。まあ、尊敬の意をこめてっていうだけですね。

たまふ…尊敬語/~なさる

補助動詞謙譲語「たまふ」

 謙譲語の用法を見ていきましょう。これは下二段活用をし、終止形はほとんど使われません。補助動詞なので、尊敬語と同様に動詞の後につきます。「どうし(動詞)よう」って感じですね! だって、尊敬語と使い方似てるもん。これのポイントは訳です。ここでは「お~申し上げる」といった一般的な謙譲語の訳ではなく、「~ます」のように丁寧語的な訳し方をします。

 丁寧語的に「~ます」という訳し方をするということはポイントがあります。「たまふ」がついた動詞の主体は、尊敬語なら相手でしたが、謙譲語なら自分になります。これが、主語取りの上で重要です。

たまふ…謙譲語/~ます

「たまふ」が出てきたときの攻略法

 たまふが出てきた解きの対処法をまとめました。

「たまふ」の攻略手順~

本動詞か補助動詞かを判断

本動詞ならば、すぐ尊敬語「くださる」

補助動詞のとき
 四段活用→尊敬語「~なさる」
 下二段活用→謙譲語「~ます」

 これで解決です。こうやって聞くと簡単でしょ!

ややこしい「たまはす」と「たまはる」

 ここで、「たまふ」に似た2つの単語を紹介します。これが惑わす原因なんですよね〜。

たまはす

 「たまはす」と言うのは、尊敬語で「たまふ」とほとんど一緒と考えてください。意味は、「くださる」とかですね。構造的には、「たまふ」の未然形に、尊敬の助動詞「す」がついたと思ってくれば良いと思います。

たまはる

 「たまはす」の説明を聞くと、分からなくなるのが「たまはる」です。「たまはる」の大事なことは、謙譲語であると言うことです。これが尊敬語ではありません。しかし「与ふ」がもとになっていることは変わらないので、「いただく」と訳します。

 感覚的には、「たまふ」という”与える”的な意味に、「る」という”受動”的な意味が加わったと思ってください。そのため「与え+られる」となるので、敬語で表すと「いただく」になります。

まとめ

 どうだったでしょうか。今回は、「たまふ」関連の単語をまとめてみました。今後も、ややこしい古文単語を整理した記事を出すので、また見てくださいね!

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