今回は組織について詳しく見ていきます。動物の組織については、以前詳しく解説しました。今回は植物に注目していきます。
動物の組織の解説記事はこちら
植物の組織
そもそも組織とは何か覚えてますよね? ざっくり言えば、細胞のかたまりですね。植物の組織には、分裂組織と永久組織に分かれます。
分裂組織
分裂組織とは、細胞分裂を盛んに行う組織になります。具体的には、以下の2つに分かれます。
頂端分裂組織
頂端分裂組織とは、細胞分裂を盛んに行い、伸長成長をもたらす部分になります。簡単に言えば、「長さを長くする組織」です。茎の先端にある茎頂分裂組織、根の先端にある根端分裂組織があります。
形成層
一方で、「太さを太くする(=肥大成長を促す)組織」を形成層と言います。茎や根にはこの組織があります。ただし、単子葉類には形成層がありません。言われてみれば、単子葉類のイネには茎が太いイメージないよね!
永久組織
分裂組織以外の組織を永久組織と言います。こちらは4種類あります。表皮組織・通道組織・柔組織・機械組織です。とりあえず4種類の名前を覚えた上で、一つ一つ解説していきましょう!
表皮組織
表皮組織とは、体の外表面を覆って内部を保護するつくりです。特徴としては、構成する細胞の中に葉緑体が含まれていません。あくまで光合成などの活動ではなく、内部を保護するために存在しています。ただし気孔の周辺に存在する孔辺細胞については例外的に葉緑体が含まれます。また、表皮を覆うようにクチクラ層というものが発達しています。葉の表面にあるロウ状の透明な層ですね。
通道組織
通道組織とは、水や養分を運ぶ組織のことです。根で吸収した水や肥料を運ぶのが道管、葉で作られた養分を運ぶのが師管です。ただし、道管があるのは被子植物だけです。裸子植物やシダ植物については、道管の代わりに仮道管があります。
道管や仮道管は細胞壁が木化しています。要は細胞が死んでるってことです。特に道管では、上下の細胞壁が消失して一本のホースのようになっています。道管や仮道管では木化していることから、これらをまとめて木部と言います。
一方の師管は木化していません。生きています。師管を構成する細胞の上下の細胞壁はしっかり存在していますが、穴が空いています。このような上下細胞壁を師板といいます。また、師管の周りには伴細胞があります。詳しい働きはわかっていないので、名前だけ覚えておきましょう。
柔組織
柔組織は、植物の生命活動の中心を担う組織です。細胞壁が比較的薄いのが特徴です。光合成などを行う同化組織と、栄養分を貯蔵する貯蔵組織に分けられます。葉の内部にある柵状組織と海綿状組織については同化組織に分類されます。
機械組織
機械組織は、植物体を支える組織です。丈夫である必要があるので、細胞壁は厚いです。厚壁組織や厚角組織、繊維組織などを覚えておきましょう。ちなみに厚角組織以外は、木化した細胞で構成されます。
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