〈化学〉原子の構造について

中学化学

化学は物質の変化を扱う学問です。

では化学反応で物質の何が変化しているのかというと物質を構成する原子の構成が変化しています。

つまり化学反応を知るために、反応している中で原子がどの原子と結びついているのかを知ることが大切です。

今回の記事では、まず原子とは何かについて知りましょう!

原子について

全ての物質は原子からできています。

物質を構成する最小単位が原子と教わった人もいるかもしれませんが、厳密には原子は最小単位ではないので気をつけましょう。(詳しく知りたい人は量子化学の世界へ飛び込みましょう!)

この世界には様々な種類の元素が存在し、それぞれの原子が互いに結びつきあい非常に多くの種類の物質を構成しているのです。

原子と元素の違いについて

原子元素の違いを明確に説明できるでしょうか?

両方とも同じようなことを指しているようで、異なった意義を持つものなので違いを理解しておきましょう。

原子とは……物質を構成する粒子自身のこと

元素とは……物質を構成する粒子の種類のこと

例えば、

(例)二酸化炭素は炭素酸素から構成される。

この炭素酸素は粒子自身のことを指すのではなく、炭素と酸素の二種類から二酸化炭素が構成されると述べているので元素を指します。

(例)炭素を燃焼させると酸素と結びついて二酸化炭素となる。

炭素原子の集まりである炭素の単体(黒鉛)を燃焼させることで二酸化炭素に変化すると述べているので、この文における炭素は粒子自身の原子を指しています。

ここで、単体?化合物?純物質?混合物?これらの違いが曖昧な人は以下の記事も見てみてください!

原子の構造について

原子は陽子中性子からなる原子核の周りを電子が回っている構造をしています。

ただし、注意してほしいのは上のよく見る原子の構造の図は見やすくするためにあえて原子核を大きくしています。

そのため、実際の原子核の大きさはとても小さいものです

しかし、原子の質量のほとんどは原子核に集中しており、電子の質量は陽子の質量の約1/1840(イヤヨー)です

そう考えると原子の中身はかなりスカスカのように感じますね。

原子核

原子核陽子中性子でできています。

陽子の数により原子番号が定まり、例えば2個だったらヘリウムの原子核、6個だったら炭素の原子核になります。

中性子の数は陽子と同じことが多いですが異なる場合もあります

その場合は同じ種類の元素でも同位体となるので注意しましょう。

ちなみに同素体は同じ元素からなる異なる性質を持つ物質:ダイヤモンド、黒鉛などなので違いに注意しましょう。

先ほど述べた通り、原子の質量はほぼ全てが原子核を占めています。

そのため、原子核の質量=陽子+中性子の数となります。

電子

電子は原子核の周りを回っています。

電荷に偏りのない通常の原子の場合、電子の数は陽子の数と一致しますね。

電子が回っている部分を電子殻でんしかく。”から”じゃないよ)と言い、先ほどの図のように内側から順にK殻L殻M殻……と続きます。

収容できる電子数は外側になるほど多くなり、K殻には2個、L殻には8個、M殻には18個の電子が収容できます。

この収容できる電子の数は2n2と一般化できるので知っておきましょう。

ちなみに、なぜ2n2かというと球の表面積を思い出してみてください。

球の表面積は2πr2であり、半径の二乗に比例します。

K殻、L殻、M殻……と原子核からの距離が離れるほど電子殻は半径に二乗に比例して大きくなっていきます

このことから殻に収容される電子が比例定数を2として2n2で表されることには納得がいきますね。

小話

これはテストに出る内容ではありませんが、どうして一番内側の殻をK殻と呼ぶのか知っていますか?

これは、電子が原子核の周りを回っていることがわかった当初は、K殻の内側にもまだ電子が回る殻が存在するのではないかと考えられていたからです。

当時は原子の構造について詳しくわかっていなかったため、もし今後内側の殻が見つかったときにも命名できるようにK以前の余裕を持たせていたのですね。

結局、その後K殻より内側の電子殻は見つかることはなく、K殻が最も内側の電子殻になっています。

まとめ

今回は原子の構造について最低限抑えておいてほしいポイントを述べました。

問題で問われる内容は少ないですが、化学の根本的な部分であるので必ず理解しておきましょう

特に、原子元素同位体同素体の違いはたびたび間違う受験生が多いので気をつけましょう!

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