〈化学〉有機化学で問われる酵素の3つの性質まとめ

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 今回は、有機化学分野でよく問われる酵素の性質についてまとめました。

酵素とは

 酵素とは、生体内の化学反応の触媒の役割を果たすタンパク質のことを言います。意外と重要ですよ、タンパク質です。

 例えば、唾液のアミラーゼ、すい液のトリプシン、血液のカタラーゼなどが代表的です。

3つの性質

基質特異性

 まず1つの特徴は基質特異性です。これは、特定の化学反応にしか触媒作用を示さないという性質になります。そもそも酵素はタンパク質です。タンパク質は、アミノ酸の配列によって何通りもの作り方があります。そして、そのそれぞれに与えられた役割が決まっているのです。

 そこで例えば、唾液のアミラーゼであれば、デンプンをマルトースに変える役割があります。胃液のペプシンはタンパク質をポリペプチドに変える役割があります。このように、一つ一つの酵素が分解できるものが決まっていることを、基質特異性と言います。

最適温度

 また、最適温度という性質も忘れてはいけません。化学における反応速度は、一般に温度が高ければ高いほど反応速度も上がっていきます。しかし、酵素というものはそんな単純ではありません。最も働きがよくなる温度というものが決まっています。人間の消化に使われる酵素の多くは、35~40℃くらいですね。なぜかって? 人間の体温がそんなもんだからですよ!

最適pH

 最適pHというものもあります。まあ酵素が一番よく働くpHってことですね。これは人間の消化酵素でも、物によってだいぶ違います。例えば、アミラーゼは口の中で働くので中性が最適pHです。胃液で働くペプシンは最適pHが2です。だいぶ酸性ですよね。トリプシンの最適pHは8くらいです。こちらは弱塩基といったところでしょうか。このように酵素が作用する場所のpHで最もよく働くように、酵素ができています。だから、胃液が口の中にあってもタンパク質や脂質をスピーディに分解することはできないんですね!

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