〈化学〉ややこしい無機化学の合金まとめ

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 こんにちは! 今回は、無機化学の金属問題の定番、合金について解説します。ここでは重要度が高いものから少しマニアックなものまで紹介するので、皆さんのレベルに合わせて覚えていってください。

鉄が関係する合金

ブリキ

 ブリキは、の表面をスズで処理した合金です。これはスズの方がイオン化傾向が大きいことを利用して、鉄を腐食(酸化)から守るものです。イメージで言うなら、弱い社長のまわりに強いボディーガードを付けて守るという感じです。具体的には缶詰とかに使われていますね。

 ただしこれには弱点があります。仮に全面を固めていたボディーガードが1人でも欠けて”スキ”ができてしまうと、そこから一気に攻め込まれてしまいます。つまり、少しでも傷がつくと一気に鉄の腐食が進んでしまうんですね

トタン

 トタンについては、ブリキと全く逆の発想です。の表面を亜鉛で覆っているのですが、イオン化傾向は鉄の方が大きいんですよ。つまり、鉄の腐食前に亜鉛が変わりに腐食されて守ってくれるわけです。イメージ的には、「ボディーガードは弱いけど、守られてる社長は強いぞ! ボディーガードを倒しても、まだ社長を倒せないぞ!」的な感じです。

 トタンの用途は建築資材などです。まあここにブリキを使ったら大変ですね。少し傷ついた瞬間に一気に腐食が始まっちゃいますから。壊れちゃうね(笑)。

ステンレス鋼

 ステンレス鋼は、+クロムの合金です。これは、強度が強いってことで有名ですね。普段も”ステンレス製”という言葉を耳にすると思います。

 日常生活でも多用されています。スプーン、フォーク、流し台、包丁、鍋、冷蔵庫、炊飯器、鉄道車両(アルミニウム製もあり)、自動車、ドアノブ、手術用メスなど、あげればキリがないです。

 これについては、鉄をメインとした便利な合金だと思ってください。

銅が関係する合金

青銅(ブロンズ)

 青銅は、銅+スズの合金です。ブロンズ像の”ブロンズ”ですね。あとは、日本史とかで登場する青銅器も、青銅で作られているからこそこの名前がついています。また、十円玉の原料でもあります。

黄銅(真鍮)

 黄銅は、銅+亜鉛の合金です。精密機械や給水管、金管楽器などに利用されることが多いです。また、五円玉の原料でもあります。

白銅

 白銅は、銅+ニッケルの合金です。100円玉・50円玉の原料ですね。

その他

 さあ、残りの合金をいっぱい見ていきましょう。

ジュラルミン

 ジュラルミンは、アルミニウム+銅+マグネシウムなどの合金です。まあ基本的には、アルミニウム中心の合金だと覚えてください。用途としては航空機に使われます。

はんだ

 はんだは、鉛+スズの合金です。まあ最近では、環境保護の観点から無鉛はんだというものも出てきています。電子回路で使用されることが重要ですね。皆さんも技術家庭の時間とかに実践しました?

アマルガム

 アマルガムは、水銀などで作られる合金です。まあぱっと見、危なそうでしょ? 昔は歯科とかで使われていたらしいです。あんまり入試では聞かれません。「水銀の合金」って言われたら「アマルガムだ!」くらいに知っておいてください。

まとめ

 さあ、ひとまずまとめます。

ブリキ鉄+スズ

トタン鉄+亜鉛

ステンレス鋼…鉄+クロム

青銅銅+スズ

黄銅銅+亜鉛

白銅…銅+ニッケル

ジュラルミンアルミニウムなど

はんだ…スズ+鉛

アマルガム…水銀など

 太字の5つ(ブリキ・トタン・青銅・黄銅・ジュラルミン)については、絶対に暗記してください。大学入試で最も問われるのは、この5つです。

 それでは、今日の解説は以上です。

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