こんにちは!数Bを習った方は数列の和の公式について暗記してる人が多いと思います。では皆さんはそれらの公式の証明ができますか?
例えば1からnまでの2乗の和はn(n+1)(2n+1)/6で表せることなどです。これが証明できた方は、
∑nk=1 k5 を計算せよと言われて解けますか?数列の和に関する公式は、覚えることも必要ですが、自分で導き方を知っておく必要があります。結論から言うと、数列の和はすべて
∑nk=1 {f(k+1)-f(k)} の形に式変形してしまえば解けるのです。やり方は、
∑nk=1 {f(k+1)-f(k)}={f(2)-f(1)}+{f(3)–f(2)}+・・・・+{f(n)–f(n-1)}+{f(n+1)-f(n)}
=f(n+1)-f(1)
という感じです。では実際にどのように∑の中身をf(k+1)-f(k)のようにするかを解説します。
例えば、k2 をf(k+1)-f(k)の形にしたいときはf(k)=ak3 +bk2 +ck+d(a,b,c,dは定数)と置きます。ここでなぜ最高次数を1つ高い3にしたかは以下の式を見てください。k3 の項がなくなってしまうのです。つまり、f(k)の最高次数を2にしてしまうとk2 の項が消え、両辺がkに関する恒等式にならなくなってしまうのです。
k2 ={a(k+1)3 +b(k+1)2 +c(k+1)+d}-(ak3 +bk2 +ck+d)
=3ak2 +(3a+2b)k+(a+b+c)
となります。両辺がkに関する恒等式になればよいので
①3a=1 ②3a+2b=0 ③a+b+c=0 の3つの式が得られ、a=1/3,b=-1/2,c=1/6となります。また、この式変形の途中でdがなくなりました。これはdはどのような実数でも構わないという意味なので、分かりやすいようにここではd=0とします。
以上のことから、f(k)=k3 /3ーk2 /2+k/6と置くと、
∑nk=1 k2 =∑nk=1{f(k+1)-f(k)}=f(n+1)-f(1)=(n+1)3 /3-(n+1)2 /2+(n+1)/6-(1/3-1/2+1/6)
=n(n+1)(2n+1)/6
というように求めることができます。このようにすれば、公式を覚えていないから解けない、などということは絶対になくなるので覚えておきましょう。
では∑nk=1 3k はどうでしょうか。こちらのほうが簡単です。f(k)=a×3k (aは定数)と置きます。
3k =a×3k+1 -a×3k =(3a-a)3k =2a×3k となって、両辺がkに関する恒等式であることに注目するとa=1/2であることが分かります。よってf(k)=3k /2と置くと、
∑nk=1 3k =f(n+1)-f(1)=(3n+1 -3)/2 となり、公式で解いた結果と一致します。これらの式はもちろん応用が可能で、等差×等比の和などでも大活躍します。
例えば∑nk=1 (2k+1)3k はf(k)=(ak+b)3k (a,bは定数)として求めることが可能です。
これらの式を理解してこそ、数列の和の根本が分かっていると言えるくらい大事な式ですので、皆さんも忘れずに覚えておきましょう。
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