さあ、いよいよ東京五輪開幕まで残り1日となりました。それを記念して、今回は特別編です! オリンピックの歴史について掘り下げていきたいと思います。
一応、世界史選択者の目線で書いておりますが、日本史や現代社会の知識もあり、さらに言えば誰にでも役に立つ知識がたくさんあるので、雑学としてぜひ読んでみてください!
古代オリンピック
古代ギリシアには、古代オリンピックがあったのは知ってますよね。オリンピアの祭典という言い方が適切ですね。ギリシアの神である、ゼウスに捧げる祭典として盛大に開かれました。
さあ、オリンピアの祭典の中身を皆さんご存じですか? まず、開催頻度は4年に一度でした。さらにオリンピックというものはとても神聖視されており、この期間については戦争を休止すると決められていました。
古代オリンピックは、ローマに征服された後にもしばらく続きました。じゃあいつ無くなったのか。思い出してください、オリンピックはギリシア神のゼウスに捧げるものでしたよね。つまり、ギリシアの神様の影響力が下がってきた時こそがオリンピアの祭典の終焉です。もうおわかりでしょう、キリスト教ですね。ローマ帝国内にキリスト教が広がるにつれ、徐々にギリシア神への信仰は衰えていきました。そして392年にはついにキリスト教が国教化され、翌年の393年が最後の古代オリンピックとなりました。
近代オリンピック
再開
オリンピックの存在なんて、この後の1000年以上は誰もが忘れていました。思い出したのは誰でしょう。フランスのクーベルタンです。1896年に第1回オリンピックがアテネで開かれました。やはり、第1回はオリンピックの”聖地”で行われたんですね。
ちなみに冬のオリンピックは1924年が初めてになり、リレハンメルで行われました。
大戦の影響
オリンピックと平和は必ずセットという原則を覚えていますか? これは近代にも引き継がれます。「オリンピックがあれば戦争をやめよう」というのが基本的な考え方です。しかし、言い換えれば「戦争があればオリンピックをやめよう」ということにもなります。
具体的には1916年のベルリン大会が中止となっています。理由は分かりますね! 第一次世界大戦です。ましてベルリンはドイツ帝国内の都市ですので、戦時中のオリンピックはどう考えても厳しいですね。
また1940年の東京大会、1944年のロンドン大会も中止となっています。理由はもちろん、第二次世界大戦です。ちなみに東京大会は主な開催返上理由を日中戦争だとしています。太平洋戦争は、ギリギリ始まっていませんよ~。
国際政治の影響
その他にも国際政治にオリンピックが影響されてしまうことも少なくありません。
例えば、1968年のメキシコシティ大会では黒人差別を訴える場と化してしまいました。また、1980年のモスクワ大会ではソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して西側諸国が相次いでボイコットをし、逆に1984年のロサンゼルス大会ではソ連と東側諸国が報復ボイコットを行いました。
日本で開催されたオリンピック
東京オリンピック1964
それでは、ここで前回の東京五輪についても掘り下げていきましょう。1964年に皆さんご存じの通り、東京オリンピックが開かれました。これは、アジア初のオリンピックでもあります。
1940年の東京大会では日中戦争のまっただ中ということで主催権を返上しました。そして、その後の第二次世界大戦では負けてしまい、国内も疲弊していました。そのような背景がある中で、復活した日本を見せようという流れでオリンピックの開催地に立候補し、見事1964年大会の開催権を獲得したわけです。
オリンピック時の首相は池田勇人で、オリンピックの頃には好景気の波も来ました。そして、東海道新幹線や東京モノレールといった新たな交通機関も開業しました。
札幌オリンピック1972
続いては、札幌オリンピックです。これは、アジア初の冬季オリンピックになります。実はですね、1940年(つまり幻の東京五輪と同じ年)の冬季オリンピックは札幌が予定されていましたが、東京五輪と同様の理由で開催権を返上していました。そのような背景がある中で、ついに実現したのが札幌オリンピックなんですね~。
長野オリンピック1998
最も最近に日本で行われたオリンピックは長野オリンピックになります。ちなみに、歴代冬季オリンピック開催地の中で最も南に位置する開催地が長野らしいですよ~。また、20世紀最後の冬季オリンピックでもあります。
ちなみに紹介程度ですが、「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」という映画が先月から上映されていますが、これは長野オリンピックで起こった実話をもとにした映画になります。良かったら見に行ってくださいね~(もうあんまりやってないかな…)
東京オリンピック2020
そしていよいよやって来るのが東京オリンピックです。2011年に起こった東日本大震災の復興五輪というのを全面に出して、招致に成功しました。
その後、エンブレム問題・不正招致疑惑などトラブルも続きましたが、無事に準備を進めてこれた訳ですね。そして、いよいよ開催まで残り半年になったところで、世界中で大惨事が起こったわけです。
もちろん「新型コロナウイルスの世界的流行」ですね。2019年末に中国で発見されたウイルスは、2020年3月までに世界各国に蔓延し、日本でもこの頃から外出自粛要請などが出されるようになりました。そのような中でオリンピックはできないと言うことで、1年程度の延期が決定しました。
さらに1年準備していきましょうという中で、2021年2月に大会組織委員会の森喜朗会長が女性差別と思われる発言をきっかけに辞任してしまう、2021年3月には開閉会式の演出担当であった佐々木宏氏が辞任してしまう、コロナの蔓延が続いたことで世論が中止に傾くなど、いくつもの問題が発生しました。大会直前になって、東京都に緊急事態宣言が出されたことで無観客開催となったり、大会関係者の中からコロナ感染者が多く出たり、開会式4日前になって作曲家の小山田圭吾氏がいじめ発言を機に辞任して曲が没になってしまう、開会式前日に演出担当の小林賢太郎氏が解任されてしまうなど、まだまだ直前まで問題は続きました。
そのような中で7月21日より少しずつですが、ついに競技も始まっており、明日の20:00はいよいよ開会式ですね。コロナ禍で反対世論も多かったとは言え、もともとはみんなが待ちに待っていたオリンピックですからね! テレビでゆっくり開会式やオリンピック競技を見ましょう~。
まとめ
さあ、今回はオリンピック直前スペシャルということで、「オリンピックの歴史」について解説してきました。日本史・世界史・現代社会など幅広い分野で扱われるものを横断的に紹介しました。まあ、ここでは雑学だと思って全部吸収してみてください。さあそれでは、オリンピックを楽しみましょう!
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