今回は電池と混ざりやすい「電気分解」についてやっていきます。
電池とは全くの別物なのでしっかりと頭を切り替えてやっていきましょう!
↑みなさんもこんな図、見たことありますよね?
そう、電池と形は似ているのでついつい間違えやすいのですが、陽極と陰極に「電池」がつながっているのが特徴です。
電池の負極(ー)とつながっているほうを「陰極」、正極とつながっているほうを「陽極」といいます。
「電池と違うのはわかったけど、電気分解ってなんやねん!」という方もいらっしゃると思うので、あっさり言ってしまうと「電気のエネルギーを利用して化合物を分解すること」なのです。
いきなりですが、反応をまとめておきます。
それでは「陰極」から。
まず陰極では、電極の種類は関係ありません。 見なくてはいけないのは水溶液のみです。
〈陰極〉水溶液中にK⁺、Ca²⁺、Na⁺、Mg²⁺、Al³⁺を含むとき
この場合、H₂が発生します。
反応式で表すと、酸性溶液のとき 2H⁺ + 2e⁻ → H₂
中性または塩基性溶液のとき 2H₂O + 2e⁻ → H₂ + 2OH⁻
〈陰極〉水溶液中に上記以外の陽イオンを含むとき
この場合は、金属単体が析出します。
ただし、金属イオンを含まないでH⁺が存在するときはH₂が発生します。
では次に、「陽極」をみていきましょう。
陽極では、電極の種類及び水溶液をみなくてはいけません。
電極の種類を絞り、そのうえで水溶液を見る、という方法でいきたいと思います。
〈陽極〉電極が Pt または C で、水溶液にハロゲン化物イオン(Cl⁻、Br⁻、I⁻など)を含むとき
このような場合、ハロゲン単体(Cl₂、Br₂、I₂など)が生成されます。
〈陽極〉電極が Pt または C で、 水溶液に水酸化物(NaOH、Ca(OH)₂など)、SO₄²⁻、NO₃⁻を含むとき
このときは、O₂が発生します。
酸素が発生する反応は
中性または酸性溶液のとき 2H₂O → O₂ + 4H⁺ + 4e⁻
塩基性溶液のとき 4OH⁻ → 2H₂O + O₂ + 4e⁻
となります。
〈陽極〉電極が Ag、Cu、Znのとき
この場合は、水溶液に関係なく、電極がイオンとなって溶け出します。
例えば、Agなら Ag → Ag⁺ + e⁻ といった感じです。
以上でお終いです。これさえ覚えてしまえば何も怖くなくなります!
あとはどんどん演習をして慣れていきましょう。
お疲れ様でした。
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