今回は、完了の助動詞である「つ」「ぬ」について解説していきます。
完了の助動詞「つ」「ぬ」
完了を表す助動詞には、「つ」「ぬ」「たり」「り」の4種類があります。今回は「つ」「ぬ」の使い方や活用、見分け方について解説します。
助動詞「たり」「り」についての解説は以下の記事をご覧ください。
接続・活用
まずは活用を覚えましょう。
〜「つ」の活用〜
て・て・つ・つる・つれ・てよ
〜「ぬ」の活用〜
な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね
接続についてですが、「つ」「ぬ」ともに連用形に接続します。まあ、当たり前と言えば当たり前ですがね。
意味・見分け方
完了の助動詞「つ」「ぬ」
基本的な意味は完了になります。訳すのであれば「〜た」「〜てしまう」とかがいいんじゃないですかね。ただし「つ」「ぬ」で微妙にニュアンスが違います。
〜「つ」と「ぬ」のニュアンス〜
①「つ」は他動詞に接続し、意識的な完了を表す
②「ぬ」は自動詞に接続し、自然的な完了を表す
まあそんなに問われることはありませんが、一応紹介しておきます。これを知った上で使用例見ましょう。
例)春になりにけり(春になってしまった)
水を流しつ(水を流してしまった)
ちなみに、1つ目の例文の「けり」はもちろん過去の助動詞「けり」の連用形ですよ。大丈夫ですよね。不安な人はこの記事を見ましょう。
強意の助動詞「つ」「ぬ」
「つ」「ぬ」でもう一つ問われるのが、強意を表す時です。これがよく聞かれるんですよ。訳は「きっと〜する」「必ず〜する」とかがいいと思います。
で、こういう意味も出てくると皆さんはお怒りになるんですよ。「完了と強意はどうやって見分けるんだ!!」っていう方、多いと思います。見分け方はちゃんとありますよ。
〜強意の意味で使われる際の鉄則〜
後ろに推量の助動詞「む」「らむ」「べし」「まし」が接続
この見分け方は楽ちんですよ。後ろに推量の助動詞がついていたら、大体強意で取ってしまって大丈夫です。余裕でしょう。
さあ、見分け方がわかったところで例文を出しましょう。
例)書きつべし(きっと書くつもりだ)
咲きぬべし(きっと咲くだろう)
並列の助動詞「つ」「ぬ」
さあ意外と忘れるのが並列の意味です。ただ、これは簡単ですよ。訳す際は「〜たり、〜たり」でいいんです。しかも、見分け方なんてないくらい分かりやすいですよ。例文を見ましょう。
例)泣きつ笑いつ(泣いたり笑ったり)
浮きぬ沈みぬ(浮いたり沈んだり)
もう明らかに並列でしょ。この「つ」「ぬ」を完了とか強意で訳したい人はいないと思います。これがテストに出たらサービス問題ですね!
まとめ
今回は完了の助動詞のうち2つの「つ」「ぬ」について解説しました。この2つの助動詞はほとんど同じであると考えて大丈夫です。まあ、完了か強意かを見分けることが大事になってきますから、そこを特に頑張りましょう。
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