〈世界史〉文化史解説1 ~ギリシア文化~

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 世界史の文化史解説です。今回はギリシア文化を見ていきましょう。

ギリシア文化の概要

まずギリシア文化といえば、人間的合理的という風に言われます。まあどういうことか謎に思うでしょうが、とりあえずこれを押さえたうえで具体的に見ていきましょう。

建築

ギリシアの建築で覚えなければならないのは、全部で三種類。順番に、ドーリア式イオニア式コリント式ですね! これの見分け方についてまとめます。

ギリシア建築は、段々豪華になる

前期の建築様式であるドーリア式で代表はパルテノン神殿ですが、見てわかる通りシンプルなんですよ。しかし、後期の建築コリント式は柱を見れば豪華です。これは実際に調べてみてください。代表例はゼウス神殿です。

ちなみに、パルテノン神殿について1つ追加。この神殿はペルシア戦争で破壊されますが、その後すぐに再建されます。その際、フェイディアスという人物が関わったとされています。彼はペリクレスと親交があったようです。まあ、ペルシア戦争後はペリクレスの治世なので、時代感覚的には納得ですね!

彫刻

ギリシア彫刻について、まずはポイントです。

ギリシア彫刻は、神様であっても人間っぽい。

試しに、手持ちの図説を調べてみてください。神様の彫刻であっても、完全に人間っぽく彫られています。普通我々が神様をイメージしたら、こんな感じではないですよね~。この人間っぽさがギリシア彫刻の特徴です。冒頭でお伝えした、人間的な部分が出てますね!

では、彫刻家は2人押さえてください。1人は最重要、もう1人は若干難易度高いです。

フェイディアス・・・「アテナ女神像」「ゼウス像」

・プラクシテレス・・・「ヘルメス像」

MUST暗記はフェイディアスです。この人、建築でも出てきましたね。代表作は2つ押さえておいてください。ただし現存しません。プラクシテレスも有名な人ですので、できれば覚えておきたいですね。

文学

まずは、悲劇詩人についてです。これは作品とセットで押さえておく必要があります。

三大悲劇詩人

イスキュロス・・・『ガメムノン』

フォクレス・・・『オイディプス王』

ウリピデス・・・『デイア』

さあ、謎の太字ですね。「こんなの覚えられない!」って人に暗記法を伝授します。

作者の1文字目の母音と、代表作の1文字目の母音はすべて一緒!

気づきました? アイスキュロスのアガメムノンは「A」、ソフォクレスのオイディプス王は「O」、エウリピデスのメデイアは「E」。全部そろってるんですね!

続いては喜劇詩人ですが、これは1人しかいません。

アリストファネス・・・『雲』『女の平和』『女の議会』『蛙』

『雲』『女の平和』なんて、いかにも喜劇ですよね! 一応4作品載せましたが、最初の2つが重要だと思います。まあ、一応内容も載せておきますね。

『雲』・・・ソフィストやソクラテスへの批判

『蛙』・・・アイスキュロスやエウリピデスへの批判

『女の平和』・・・ペロポネソス戦争に対する反戦の気運を示す

『蛙』で見ればわかりますが、悲劇詩人を批判してるんですよ。まあ、喜劇詩人だからですかね~。それと『雲』で批判されたソクラテスは『弁明』で誤解を解こうとしてます。結局死刑になったけどね…

さあ、次は最重要かな? 叙事詩についてまとめます。これは作者1人につき、作品2つを抑えてください。

ホメロス・・・『イリアス』『オデュッセイア』

ヘシオドス・・・『神統記』『労働と日々』

『イリアス』『オデュッセイア』についてはトロヤ戦争を描いています。『神統記』は神々の系譜をまとめていますね。『労働と日々』では労働の尊さを語っています。まあ、このあたりはタイトルからわかりやすいか~

続いては叙情詩です。ちなみに叙事詩との違いってわかります? 叙事詩は出来事がメイン、叙情詩は感情がメインのものです。

サッフォー・・・女流詩人

アナクレオン・・・酒や恋愛を歌う

ピンダロス・・・オリンピア競技の優勝者を称える

絶対押さえてほしいのは女流詩人のサッフォーです。残りの方は、その次に覚えてください。

続いては、歴史学。これはもう、絶対暗記してください。これを押さえないようでは、世界史選択を名乗れません。

ヘロドトス・・・『歴史』ペルシア戦争を描く)

トゥキディデス・・・『歴史』ペロポネソス戦争を描く)

著作のタイトルは一緒ですが、何戦争について書いているかまで問われますので、絶対押さえてください。

またヘロドトスはここで有名なフレーズを残してますね。「エジプトはナイルのたまもの」、これも押さえておきましょう。

医学

さあ、これは1人だけ、ぱぱっと押さえましょう。

ヒッポクラテス・・・「医学の父」「西洋医学の祖」と呼ばれる

自然哲学

自然哲学って何でしょう? 簡単に言えば人間や世界を理性によって説明しようとする学問です。つまりですね、「この世の全てのものの根源は何か?」っていうことです。ここで「神様!」って答えれば終わってしまうのですが、合理的なギリシア人はそれを理性によってとらえようとしました。では、万物の根源について一斉整理します。

タレス・・・水

アナクシマンドロス・・・アペイロン(無限なるもの)

アナクシメネス・・・空気

ヘラクレイトス・・・火

エンペドクレス・・・火・空気・水・土(四大元素)

デモクリトス・・・原子

ピタゴラス・・・数

これは、覚えやすいところから覚えていきましょう。太字の4人は絶対暗記の項目です。まず、タレスについては「水がタレス(垂れる)」とでも覚えておきましょう。

ヘラクレイトスは「火ラクレイトス」でいいかな? ちなみに、この人も有名なフレーズがありますね。「万物は流転する」です。

デモクリトスなんていかにも原子っぽい名前してるじゃないですか。ピタゴラスについては、三平方の定理で有名ですよね! だから万物の根源は数とか言ってるんでしょうね。クラスに1人はいますよね、こういう数学バカ。「Study by TMT」の中では、たいぽんが数学バカですので、よかったら彼の記事も見てくださいね~。

他の3人については、最重要な人を覚えてから暗記してください。覚え方は自分で発見してくださいね~

ソフィスト・アテネ哲学

ソフィスト

ソフィストというのは、職業的教師のことです。ギリシアの民主政が発展するにつれ必要となったんです。なぜかって? 民衆を味方につけるために上手に喋れなきゃいけないわけですよ。そのための指導役としてソフィストが登場したんですね。

では、最大のソフィストと言われている人物と彼の名言を紹介します。

プロタゴラス・・・「万物の尺度は人間」

これどういうことかわかりますか? 世の中に通ずる絶対的な真理は存在しないということです。別の言い方をすれば、普遍的な真理を否定したってことです。

ソクラテス

逆に絶対的真理を説いたのがソクラテスです。彼の生きた時代はペロポネソス戦争直後のアテネです。さあ、どんな状態かわかります? 衆愚政治の時代ですね! バラバラなアテネをまとめるために絶対的真理が必要だったのかな。

彼はなかなか面白い人ですね。対話を重視しましたので著作はありません。何の目的で対話するのか、それが「無知の知」です。つまり、対話を通じて自分が無知であることを自覚させるということを試みたのです。

あとは絶対的真理に行動も伴うように「知徳合一」も説きました。

ですが最終的には若者を堕落させたとして死刑判決を受けました。

プラトン

プラトンは、ソクラテスの弟子です。彼は師匠ソクラテスの言行を『対話篇』にまとめました。また、アテネ民主政には否定的で、スパルタを称賛しました。なぜかって? アテネの民主政によって師匠は殺されたんですよ。それは否定するよね。

他にはイデア論を主張しています。世界は常に変化しているが、そこには不変の観念(イデア)があるってことです。

あとは『国家』という著書で、哲人政治を主張しています。哲学者が王となることを推しているようです。だってアテネ民主政には反対だもん。

1つだけ知識を追加します。彼はアテネ郊外に私塾を作りました。アカデメイアですね。これはAcademyの語源です。

アリストテレス 

続いてはアリストテレス。彼の知識として押さえておかなければならないことを2つ。まず1つは若き日のアレクサンドロス大王の家庭教師だったこと。もう一つは、アテネにリュケイオンという学園を作ったことです。リュケイオンはLectureの語源ね。

じゃあ彼の業績を見ていきましょう。まず第一に諸学問を体系化したってことですね。要はグダグダだったいろんな教科を結び付けたってことです。

あとは彼、観察経験を重視しました。これは教え子のアレクサンドロスも引き継いでますよ。『政治学』という著書の中で、「人間はポリス的動物である」と書いています。人間の倫理はポリスという社会集団の中で最高に認められるという主張です。

アテネ哲学のまとめ

〇アテネ哲学まとめ

SPAの法則クラテス⇒ラトン⇒リストテレス)

〇各々の主張・業績

ソクラテス・・・絶対的真理の存在、無知の知、知徳合一

プラトン・・・イデア論、哲人政治

アリストテレス・・・諸学問の体系化

まとめ

いかがだったでしょうか? ギリシア文化はいきなり重いですよね。まずは太字を覚えて、そこから細かい知識を入れていきましょう。

 次はヘレニズム文化です。

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