〈化学〉無機化学で出てくる4つの乾燥剤まとめ

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 無機化学でよく問われる乾燥剤について解説していきます。それぞれの乾燥剤の、性質・乾燥できない気体を確実に押さえましょう。

乾燥剤とは

 乾燥剤気体の乾燥に使うためのものです。乾燥させる相手は気体ですので、詳しく言えば水蒸気を取り除くための乾燥剤です。

 乾燥剤として必要な条件は2つあります。まず1つは、水蒸気を吸収する吸湿作用があることです。もう一つは、乾燥させる気体と余計な反応をしないことです。

濃硫酸

 まずは濃硫酸です。濃硫酸はもちろん酸性になります。よって塩基性の気体(アンモニア)を乾燥させることはできません

 また、硫化水素H2Sも乾燥させられません。濃硫酸と硫化水素を近づけると、勝手に酸化還元反応が起こってしまうためです。

十酸化四リン

 続いては十酸化四リンです。覚えていますか? 非金属元素の酸化物なので、性質としては酸性になります。よってこちらも、塩基性の気体(アンモニア)を乾燥させることができません

ソーダ石灰

 ソーダ石灰とは、酸化カルシウムと水酸化ナトリウムの混合物です。水酸化ナトリウムはガッツリ塩基性ですし、酸化カルシウムも塩基性酸化物なので、ソーダ石灰は塩基性になります。よって、酸性の気体を乾燥させることができません

塩化カルシウム

 塩化カルシウム中性になります。そのため、酸性・中性・塩基性全ての気体を乾燥させられます。

 ただし、アンモニアだけは乾燥させることができません。アンモニアとは吸着してしまうためです。

 CaCl2+8NH3→CaCl2・8NH3

 このような反応をしてしまいます。これでは乾燥しても、元のアンモニアが残りませんね。

まとめ

 気体の乾燥剤には4種類あります。それぞれの性質と乾燥できないものをまとめましょう。また、アンモニアの乾燥ができるのは、ソーダ石灰だけになります。このことはよく問われるので、併せて知っておきましょう。

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