ここでは、第1回共通テストを受けて、今後の共通テストの対策法を伝授したいと思います。
国語
国語の対策方法はただ一つ、センター試験の過去問をひたすら解くことです。赤本でもなんでもいいので、とにかく過去問を解いてください。初回で半分取れれば上出来です。そこから解答→採点→解説読みを繰り返してください。
なお、古典については解けない人がいると思います。単語ができない人については、単語帳を見て1から学習しなおすのもありです。文法ができない人は、文法書を見ましょう。漢文で分からなければ、句形を1から学習してください。そのうえで再度センター過去問を解きなおしてください。
国語については共通テストへの特別な対策をするよりは、センター試験対策の感覚をもって勉強してください。最終的には160点を確実に取れるようにしましょう。
数学
まずはセンター試験の過去問を解いてみましょう。数学は時間との闘いですので、必ず時間を測ってください。そこで7割取れる人は、共通テストの対策問題集を解いてください。共通テスト特有の問題は対策が必要になるので、その演習を繰り返しましょう。
センター試験で7割取れない人はおそらく基礎ができていません。まずは苦手分野がどこなのかを確認し、その分野についての教科書解説を読み、集中的に問題演習してください。
英語
英語については、センター試験の過去問を絶対に解かないでください。ほとんど意味がありません。
リーディングの対策については、共通テスト対策問題集を何度も解いてみるべきです。現在売っている対策問題集は、昨年度向けのもので実際の第1回テストとは異なっていましたが、とりあえずはそれを1冊買って対策を進めてください。2022年度版が出されたら、そちらを購入して集中的に学習していきましょう。
リスニングについても、共通テスト対策問題集を解いてください。ひたすら聞いて、ひたすら解きましょう。問題形式に慣れていくことが重要です。発売されている問題集はすべて解くつもりで、演習してください。
社会
社会については、特有の対策をするのではなく基本的な事項の暗記を重視してください。一問一答で知識を確認するのが最優先になります。それさえできていれば、共通テストは基本的に対応できます。
ただし、歴史に特有の史料問題や地理に見られる読み取り問題が特別にできないという場合には、共通テストの問題集を購入して何度も演習する必要があります。
理科
理科は基本的なことはセンター試験の演習です。センター試験ができれば、共通テストもさほど問題はありません。センター試験の演習を通して、どの分野ができないのかをしっかりと見極めましょう。その上で、苦手分野については別の問題集で演習してください。共通テストの苦手分野は一般入試でも苦手分野になる可能性が高いです。できない部分は徹底的に演習していきましょう。
コメント
「センター試験」,そして「共通テスト」,形式が変わりましたのは誰の目にも明らかです.今年度の共通テストに対応する為には確かに上記のような行動が必要でした.ところで,文部科学省そして大学入試センターは”思考力”と呼ばれるものを測る為に共通テストを導入した,と記載されています.また,幾度にわたる「試行調査」と昨年度の「大学入学共通テスト」は大きく異なっていた事も事実です.これらから,「思考力」を図る為に「出題形式」を変えた,とも考察できるのではないでしょうか.というのも,形式が分かっていれば各問い毎の解放のプロセス,そして必要な知識さえ身につけていれば事足りるためです.そうなってしまっては”思考力”など測りようがありません.上記のように考えれば,今年度も出題形式を変化させてくるケースも多少は考えられます.
筆者様が書かれているのはあくまでも「第一回大学入学共通テストに必要であった対策」であって,「大学入学共通テストの対策」と断定できるものではありません.今後の共通テストでは記事に記載された対策では通用しない場合もあるのだと考えています.
以上の点で,筆者様はどういったお考えを持たれるのでしょうか.また,上記のような可能性を,筆者様は予期されていなかったのでしょうか.
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、次年度の共通テストが本年と同様の形式になるとは100%言い切れません。しかし私は本年度と来年度で傾向が大きく変わる可能性は低いと考えています。根拠としては2つあります。
1つ目の理由として、そもそも共通テストにおける”思考力”というのは、”初見形式に対応する実力”ではないことです。グラフの読み取りや史料読解など、実践的な思考力を問うのが共通テストです。つまり「初めて見る資料」が出題されることがあっても、「初めて出題される形式」までいってしまうのは共通テストの1次試験としての役割を考えると正直やりすぎです。本年度は第1回ということで、初見形式に対応する力が重視されてしまいましたが、次年度以降は本来の文科省が求める”思考力”を追求していくことが鍵になると私は考えています。
2つ目の理由として、本年度の本試験と追試験で問題形式に大きな差がなかったことです。共通テストが”初見形式の思考力”を測るためのものであるならば、そこを変えてくる可能性がありました。しかし本試験と追試験を同様の形式にしたことで、追試験受験者にとってはいわば”傾向と対策”ができてしまったことになります。ここで変えてこなければ、おそらく次年度以降も変えてこないでしょう。
ただ実際のところ、第1回の共通テストも試行調査から比べるとセンター試験に近い形式に少しだけ戻ったような気がしてます。そうすると、何が”思考力”なのか分からなくなってしまう感じもしますね…
あ、もちろん「備えあれば憂いなし」なので、次年度も傾向が変わる可能性を考えて対策をすることが間違っているわけではないですよ!