〈政治〉2024.10.9 衆議院解散! 総選挙スケジュールや仕組みを徹底解説

2024衆議院選挙特集

 こんにちは! 本日10月9日、衆議院がついに解散されました。今回は、「衆議院の解散」とは何なのか、その後のスケジュールのルールと今回の実施予定、総選挙の注目ポイントなどを、解説していきます!

 Study by TMTでは、2024衆議院選挙に合わせた特集を連載中。選挙の仕組み・各政党の歴史・日本の政党政治の歴史・岸田内閣の振り返りなど、記事・動画を展開していきます!

衆議院の解散とは

 そもそも、国会は衆議院と参議院の二院制で構成されます。衆議院は任期4年で解散がありますが、参議院は任期6年で解散はありません。衆議院の方が任期が短く解散がある、という特徴があることは覚えておきましょう。そのため参議院に比べて国民の世論を反映しやすい特性があると考えられています。それが「衆議院の優越」が認められる理由ですね。

 その「解散」とは何なのか。簡単に言えば、衆議院議員を全員クビにすることです。するともう1回選挙を実施し、その後に内閣総理大臣を選び直す必要があります。この一連の流れが10月9日から始まったわけです。

実は「解散」には2種類…

 衆議院の「解散」は憲法で認められたものになります。第7条で認められた内閣の解散権行使による解散、第69条で認められた内閣不信任案可決による解散の2種類があることをご存知でしょうか。

 衆議院の任期4年を使い切るケースの方がレアであり、不信任決議案の可決による69条解散もそこそこありますが、多くは第7条による解散であることが現実です。選挙によって民意を確認する必要があると内閣が判断した場合に認められていますが、あくまで内閣判断です。そのため、学説によっては第7条解散は基本認められないという考え方もあります。かつての石破茂氏もそういった発言をしたことがあったようです。ちなみに今回は7条解散ですが(笑)。いずれにせよ現行の憲法では、内閣に認められた強い権限として国会の解散権があるとご理解ください。

解散総選挙のスケジュール

 解散総選挙後は、以下の流れになります。

衆議院解散

40日以内

衆議院議員総選挙

30日以内

特別国会召集
・内閣総辞職
・新たな内閣総理大臣の指名

 選挙まで40日以内、特別国会はそこから30日以内とされています。この流れは知っておいた方が良いでしょう。ちなみに今回はどういったスケジュールかと言いますと…

10/9 衆議院解散

↓18日

10/27 衆議院議員総選挙

11月上旬? 特別国会召集

 という40日以内の規定の中で、18日というのは、かなりの短期決戦になります。ここまでの短期決戦にした理由は、政権側として、①人気があるうちに選挙をしたい ②野党の候補者調整を待ちたくない といったことが各種報道で挙げられています。

注目ポイントは?

自民+公明の議席数

 今回の注目ポイントは、何よりも自民党・公明党を併せて単独過半数に届くかどうかというところです。

 衆議院の議席は、小選挙区289+比例代表176で、合わせて465議席あります。国会はあくまで多数決ですので、465の半分が232.5、すなわち単純計算で233議席以上を自民・公明両党が議席を獲得すれば、自公政権の継続がほぼ確定で可能となります。

 ちなみに報道では、「安定多数」「絶対安定多数」というものが扱われます。詳しい計算は省きますが、「安定多数」とは全ての常任委員会の委員長ポストを確保できる人数で244議席、「絶対安定多数」とは全ての委員会の委員長ポストを確保できる人数で261議席となっています。「233」「244」「261」はそれぞれ自民党の勝利基準としてよく使われますので、今回の自民あるいは自公議席がどの程度なのか、指標にしてみてください!

 ちなみに今回は、自民+公明の過半数割れもあり得るという分析結果も出ています。どうなるかは最後まで分かりませんが、仮に自民党+公明党の議席が233議席を下回った場合、新たな連立与党が参加するのか、あるいは自民党以外が中心となって政権を作るのか、どうなるかはもう分かりません。

 各野党についても、立憲民主党は前回大惨敗をしている中で今回どこまで議席を伸ばすのか、万博や兵庫県の問題で荒れる維新は議席を増やせるのか、ごそっとメンバーが抜けた国民民主党はどうなるのか、注目ポイントはいくつもあります。詳細は、各政党の解説記事にて語ります。

「裏金問題」の影響は?

 ここからはマニアックな話になりますが、自民党が議席を減らしても石破内閣が安定する可能性もあると言われています。石破茂氏は安倍晋三政権において「非主流派」であったこともあり、いわゆる「安倍派」とは距離があるとされています。

 「安倍派」と言えば、統一教会問題&裏金問題でダブルパンチを喰らっている状態であり、安倍さんの人気で当選してきた「安倍チルドレン」も多いので、落選者が多く出る可能性があります。この場合自民党の議席が減ることになり、安定性から言えば下がりそうですが、「反石破派」のような人たちがいなくなるので、逆に落ち着くという推測もあるそうです。ここまで来ると、よくわかりませんね笑!

新勢力が誕生する可能性も…

 衆議院は参議院よりも新興政党に不利と言われています。参議院選挙の全国比例が、知名度・ネット選挙の世界では最も当選しやすいのです。ここ最近、国政政党に上がった「れいわ新選組」「NHKから国民を守る党(現:みんなでつくる党)」「参政党」は全て参議院からデビューしています。「れいわ」はその後、衆議院でも議席を獲得していますが、「NHK党」「参政党」はまだ議席を持っていません。今回、「みんなでつくる党」「参政党」が初めて議席を取ることができるのかどうか、ここも注目です。

 さらに、今回国政政党デビューを果たす政党があるかもしれません。「日本保守党」は30名の候補者を発表しており、ネット上で大きな人気があります。「NHKから国民を守る党」(みんなでつくる党の旧党名と名前は一緒だが、別団体)も候補者を擁立する可能性があります。こういった政党が、衆議院からいきなり国政政党になる可能性もあるかもしれません。

今回参戦する(と思われる)政党

 今回の選挙は以下の政党・政治団体が解散総選挙に参加すると考えられます。各政党については、選挙までに全政党分の解説記事を書いていきます!(書けた順に公表します。書くためにエネルギーが必要な政党とある程度知識が入っている政党で書く時間に差があるため、ご容赦ください。公表の順番に深い意味は全くありません)

国政政党(現有議席順)

・自由民主党(総裁:石破茂)

・立憲民主党(代表:野田佳彦)

・日本維新の会(代表:馬場伸幸)

・公明党(代表:石井啓一)

・日本共産党(委員長:田村智子)

・国民民主党(代表:玉木雄一郎)

・れいわ新選組(代表:山本太郎)

・社会民主党(党首:福島瑞穂)

・参政党(代表:神谷宗幣)

政治団体など(順不同)

※現時点で立候補を表明していない政党や政治団体は、判明次第追記します。
※基本的に、国会議員が在籍する政治団体・今回の選挙で国政政党になることが見込まれる政治団体・その他有力な政治団体を中心に扱わせていただきます。全国全ての政治団体を扱うのはムリです…..
※「みんなでつくる党」については、代表権争い中のため、今回衆院選の勢力としては、大津氏を代表として扱っています。また、今回のStudy by TMT特集では政治資金規正法上の観点から「国政政党」を定義しているため、今回は政治団体枠として扱っております。詳細は、個別記事で解説します。

・みんなでつくる党(党首:大津綾香)

・日本保守党(代表:百田尚樹)

・NHKから国民を守る党(党首:立花孝志)

解説動画(選挙のしくみなど)

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