こんにちは! 今回は無機化学の定番であるハロゲンの性質を解説します。
ハロゲンとは
そもそもハロゲンって何でしたっけ? 周期表の17族の元素のことを言います。具体的にはフッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I、アスタチンAtがあります。
単体はすべて二原子分子ですね。ここまでは大丈夫でしょうか。
ハロゲンの状態
ハロゲンに限らずとも、分子量が大きくなれば当然分子間力が大きくなります。これについては、万有引力の法則でも似たようなことが言えますね。
それはともかく、分子間力が大きくなって分子同士が強く引き合うため、ヨウ素については常温で固体になります。また、臭素は液体になります。周期表の中で常温で液体のものは臭素と水銀だけですよ~。塩素とフッ素についてはもちろん気体です。
ハロゲンの色
色についても、大変ですが全部覚えましょう。フッ素は淡黄色、塩素は黄緑色、臭素は赤褐色、ヨウ素は黒紫色です。これは暗記するしかありませんね。
ハロゲン化水素
ハロゲン化水素である、フッ化水素・塩化水素・臭化水素・ヨウ化水素についても考えましょう。沸点については、分子間力が強くなれば強くなるほど上がっていくわけなので、ヨウ化水素が一番高いように見えます。もちろんこの考え方は正解です。ただし気をつけなければいけないのは、4つの中で最も沸点が高のはフッ化水素になります。なぜだか分かりますか? 水素結合によって、分子間力が異常に高いからですね。
またハロゲン化水素酸の酸の強さについては、HI > HBr > HCl > HFの順番になります。こちらも覚えましょうね。
ハロゲンの酸化力
ハロゲンには酸化力があります。酸化力の強さについては、フッ素>塩素>臭素>ヨウ素の順番になります。酸の強さとは真逆ですね。
それぞれの性質
フッ素
フッ素は、淡黄色の気体です。
フッ化水素酸については、ハロゲン化水素酸の中で唯一の弱酸です。また、フッ化水素酸では水素結合が働いているため沸点が高いです。また、HFにはガラスを侵食するという性質もあります。そのため保存するときは、ポリエチレン容器などに保存します。
塩素
塩素は、黄緑色の気体です。
塩素についてはオキソ酸を覚えておく必要があります。HClO(次亜塩素酸)、HClO2(亜塩素酸)、HClO3(塩素酸)、HClO4(過塩素酸)ですね。酸の強さについては、過塩素酸が最も強いです。
臭素
臭素は、赤褐色の液体です。先ほども言いましたが、周期表の中で常温で液体なのは臭素と水銀だけです。
ヨウ素
ヨウ素は、黒紫色の固体です。ヨウ素には昇華性があるということは知っておいてください。
まとめ
~ハロゲン元素の色と状態~
フッ素 淡黄色の気体
塩素 黄緑色の気体
臭素 赤褐色の液体
ヨウ素 黒紫色の固体
~酸化力・沸点・酸の強さ~
酸化力 F2>Cl2>Br2>I2
沸点 HF > HI > HBr > HCl
酸の強さ HI > HBr > HCl > HF
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