〈日本史〉文化史解説1 ~飛鳥文化~

日本史の記事のサムネイル 文化史解説(日)

ここから、日本史の文化史解説も始めていきます。第1弾は飛鳥文化です。

飛鳥文化の概要

 飛鳥文化が展開されたのは、聖徳太子の時代です。これのポイントはこちら、

飛鳥文化は、わが国最初の仏教文化! 南北朝文化と朝鮮文化の影響を受けた

 飛鳥文化では、仏教文化が栄えます。仏教は、538年に日本に伝来しました。欽明天皇の時代ですね。その後、徐々に広まっていった感じです。

 一方その頃、日本では大規模な古墳が作られなくなっていました。古墳に代わる新たな権力の象徴が氏寺ってものですね。豪族たちがこぞって寺を作ろうとします。これが飛鳥文化です。

 飛鳥文化に影響を与えたのは、南北朝文化と朝鮮文化です。朝鮮文化はわかると思うのですが、南北朝文化についてはなんのこっちゃですので説明します。

 南北朝文化は中国のものになります。中国では、後漢の滅亡後に三国時代に突入し、その後は隋が登場するまで一時期を除き、南北で統一されることはありませんでした。1336年に始まる日本の南北朝時代とは違って、まったく別の王朝ができていたというイメージです。民族も違いますね。そこで、南北でそれぞれの文化が発達しました。

寺院建築

 では寺院から見ていきましょう。

~飛鳥時代の主な寺院~

法隆寺(聖徳太子)・・・現存最古の木造建築

四天王寺(聖徳太子)・・・物部氏を弔う

中宮寺(聖徳太子)

広隆寺(秦河勝)

飛鳥寺(蘇我馬子)・・・別名:法興寺、後の元興寺

百済大寺(舒明天皇)・・・後の大官大寺、大安寺

法輪寺(山背大兄王)

 法隆寺については日本人の常識ですね。現存最古の木造建築として五重塔が世界遺産に登録されています。逆に言うと、他の寺院は現存しません。四天王寺については、物部守屋を滅ぼした後に聖徳太子が建立しました。物部氏滅亡の過程については、こちらをご覧ください。

 あと法隆寺金堂の柱がギリシアのエンタシスになっていることも忘れないでください。真ん中がちょっと膨らんでいるやつです。広隆寺秦氏の氏寺飛鳥寺蘇我氏の氏寺です。百済大寺については、後に大安寺に改称されて南都七大寺の1つとなります。法輪寺はかなりマニアックですので、スルーしても大丈夫です。

 あともう一つ、伽藍配置についても見ていきましょう。

伽藍配置の変遷~

飛鳥寺式→四天王寺式→法隆寺式→薬師寺式→東大寺式→大安寺式

 一つ一つの解説についてはあまりしませんが、中心が塔から金堂に変わっていくというイメージを持ってください。法隆寺式については、金堂と塔が左右に並べられているので、これだけ気を付けて下さい。

彫刻

 彫刻には、アルカイックスマイルというキーワードが大事ですね。北魏様式と南朝様式があります。それぞれ3つずつです。

北魏様式

 北魏様式については以下の3つです。

~北魏様式~

法隆寺金堂釈迦三尊像・法隆寺夢殿救世観音像・飛鳥寺釈迦如来像

 北魏様式のものは、鞍作鳥が作ったものです。彼は、司馬達等の孫です。日本に仏教を私的に伝えたことで知られていますね。

南朝様式

 南朝様式も見ていきましょう。

~南朝様式~

法隆寺百済観音像・広隆寺半跏思惟像・中宮寺半跏思惟像

 半跏思惟像っていうのが大事ですね。かなり美しいですので、必ず写真を見ておいてください。

工芸品など

 飛鳥文化の工芸品などは、以下のものを覚えておいてください。

~飛鳥文化の工芸品~

法隆寺玉虫厨子・中宮寺天寿国繍帳

 工芸品ではこの2つが圧倒的に大事になります。玉虫厨子については、須弥座絵が有名ですね。天寿国繍帳は橘大郎女が作らせたということまで知っておくと良いでしょう。法隆寺の獅子狩文錦ってものも有名ですが、これは世界史選択者だけが知ってればいいかなー

仏教関連

 最後に仏教関連のお話をしておきましょう。仏教が伝来したのは、538年です。『上宮聖徳法王帝説』『元興寺縁起』に記述があります。

 それ以降、何人かの僧が日本に来ます。

~渡来僧~

恵慈(高句麗)・・・聖徳太子の師

観勒(百済) ・・・暦法を伝える

曇徴(高句麗)・・・紙、墨などを伝える

味摩之(百済)・・・伎楽舞を伝える

観勒と曇徴は最重要ですので、絶対覚えてください。これを逆にした正誤問題が定番ですので、気をつけましょう。出身国まで覚えてくださいね。あとの2人は発展的な内容ですね。余裕があったらでいいです。

 あとは、聖徳太子の三経義疏は押さえておいた方がいいですね。全部言えますか? 法華経・勝鬘経・維摩経の注釈書ですからね。

まとめ

 以上が飛鳥文化ですね。今後、文化がどんどん重たくなっていくので、最初の文化はととっと終わらせましょう。次回は白鳳文化ですね。

〈日本史〉文化史解説2 ~白鳳文化~
日本史の文化史解説第2弾です。今回は白鳳文化を見ていきましょう 白鳳文化の概要 ...

コメント

  1. historyテラーとたいぽんの後輩 says:

    僕は幕末が好きですね
    新政府側も旧幕府側もどっちもすきです
    旧幕府側だとやはり土方歳三ですかね
    宮古湾海戦惜しかったですねえ〜アボルダージ面白いです
    甲賀源八もよくがんばりました
    大鳥圭介はなにやってんだ
    二股勝ってんのに木古内やられてどうすんだよ

    新政府側では黒田清隆かなー
    薩摩の人は男気があっていい!
    明治維新のほうは江藤新平ですね!なんで征韓論のっちゃったんですかねーそんなに大久保憎んでたのかなー
    佐賀帰ったら志士にかつがれるのもわかるでしょ

    PS 河野広中と河野敏鎌は同一人物ではなかった…

    • History-teller says:

      私は西園寺公望が好きですよー! ”最後の元老”ですからね。江藤新平が好きな気持ちも分かります! のちに出てくる後藤新平と混ぜないように気をつけましょう!

タイトルとURLをコピーしました