〈政治〉政党解説2025 れいわ新選組

2025参議院選挙特集

 参議院選挙間近ということで、政党の歴史を解説する企画をやっています。今回は、れいわ新選組です。

れいわ新選組とは

 れいわ新選組は、現在の野党の1つです。代表は山本太郎ですね。2019年に成立したかなり新しい政党です。

生活の党

 始まりは「生活の党」です。ここは2012年に民主党を離党して立ち上げた、「国民の生活が第一」が「日本未来の党」に合流したのちに、成立しています。代表は小沢一郎でした。

 2014年衆議院議員総選挙で、生活の党から当選したのは2人だけでした。参議院議員は2人しか所属しておらず、得票率も2%を下回ったため、政党要件を失ってしまい政治団体となります。

 国政政党の要件は、①所属国会議員5人以上、②選挙における得票率2%以上、のどちらかになります。国会議員が4人、得票率1.93%というのは危機的状況ですね。

 このピンチを救ったのが山本太郎参議院議員でした。2013年に無所属で参議院選挙に当選していた山本太郎は、生活の党に入り、政党要件を復活させます。さらに党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」に変更し、小沢一郎・山本太郎の2名が共同代表に就任しました。

 その後2016年の参議院議員選挙で、参議院議員が1名増えたため、国会議員6人の政党になりました。

自由党

 さらに党名を自由党に変えます。「自由党」は過去に小沢一郎が作った政党と同じ名称ですね。幅広い支持を得ることを目的に党名を変更しました。

 2017年には衆議院議員総選挙を迎えました。当時の民進党は前原誠司代表です。「非自民・非共産の連携」という持論がある前原氏は、小池百合子率いる希望の党に合流しようとします。ただし希望の党から排除された一部が立憲民主党を作ったため、野党は立憲民主党と希望の党の2つに分裂することになります。自由党から出馬予定だった候補者も、2党に割れてしまいました。小沢一郎を含む現職衆議院議員2名は無所属で出馬し、無事に当選しています。結果、自由党の国会議員は6名のままとなります。

 さらに2018年に1人が自由党に入党したことで、衆議院議員3名、参議院議員4名、の国会議員7名になりました。

 そして、2019年には国民民主党への合流構想が出て、自由党は国民民主党に合流することになりました。所属国会議員7名のうち6名が国民民主党にうつり、最終的には全員立憲民主党に移りました。その際、1人だけ国民民主党に合流しなかったのが、山本太郎です。

れいわ新選組

2019参院選

 2019年4月1日、新元号が「令和」であると発表されたその日に、山本太郎は「れいわ新選組」を設立しました。

 そして、2019年7月には参議院選挙を迎えます。山本太郎は比例区で立候補しました。参議院の比例代表は約100万票で1議席が取れます。そして議席数分だけ、得票の多い候補者が当選する仕組みとなっています。しかし参議院の比例代表には、得票数に関係なく無条件に当選できる「特定枠」という仕組みがあり、ここに重度身体障害者2名を選びました。つまり、山本太郎が当選するためには、党全体として300万票近くが必要でした。

 SNSをフル活用した選挙戦を展開し、社会現象とまで言われましたが、結果は228万票となり、2人の当選にとどまってしまいます。そのため、重度身体障害者の2名は当選したものの、山本太郎本人は落選してしまいました。

 設立3ヶ月での国政政党デビューは、異例のものでした。同時に国政政党になった「NHKから国民を守る党」は2013年に成立してますから、どれだけの速さで国政政党になったのか、よくわかると思います。

2021衆院選

 れいわ新選組の看板政策は「消費税廃止」です。これは結党時から現在まで一貫しています。今でこそ全政党が物価高対策としての減税・給付を唱えていますが、れいわは6年前から主張していました。

 野党第一党の立憲民主党は次の衆議院選挙で政権交代をするため、他の野党との連携を模索していました。その枠組みに、れいわ新選組も入ることになり、選挙区の棲み分けが行われました。この時の合意内容は「消費税率5%への引き下げでした」

 2021年10月の衆議院議員選挙の結果、山本太郎を含めた3名が当選し、国会議員5名の政党になりました。また、選挙の直前には立憲民主党を除籍されていた高井崇志が入党していましたが、高井氏本人は落選しています。

 ただし、立憲民主党や共産党など、共闘した野党は軒並み苦戦しました。そして立憲民主党として「消費税率5%」を主張することは無くなってしまい、これにれいわ新選組は反発します。以降は他の野党とは協力せず、独自の道を進んでいくことになりました。

2022参院選

 衆議院選挙から半年経って、山本太郎氏は議員辞職することを発表しました。山本太郎氏は前回比例代表で当選しているため、れいわ新選組の櫛渕万里が繰り上げ当選しました。

 そして2022年7月の参議院議員選挙には、山本太郎が東京選挙区から出馬します。結果は、山本太郎と比例代表2名が当選し、参議院議員は5名となりました。衆議院議員3名と併せて、国会議員8名の政党になります。順調に国会議員の人数を増やしているのです。

 また、2022年12月には代表選挙が行われ山本太郎が代表に当選しました。ここで対立候補であった、大石晃子と櫛渕万里を共同代表に指名しました。さらに前回衆院選の直前に入党した高井崇志が幹事長に就任します。だいぶ、党に厚みが出てきました。

2024衆院選

 2024年の参議院選挙には、立憲民主党代表の野田佳彦、元代表の枝野幸男らの選挙区にも刺客候補を立てて、野党勢力とは距離を置くようになりました。

 そして、れいわ新選組として9議席を獲得しました。櫛渕万里共同代表、大石晃子共同代表、高井崇志幹事長など、役職者も当選しました。参議院の5議席と併せて、現在は14議席を持っています。

今回の参議院選挙にあたって

 れいわ新選組は、結党以来選挙で負けていない唯一の政党です。2019参院選、2021衆院選、2022参院選、2024衆院選、全ての国政選挙で議席を増やしています。こんな政党は、他にありません。自民党や立憲民主党、日本維新の会も含めて、皆苦戦する中で、勝ち続けています。今回も議席を増やして5連勝できるのか、注目ですね!

〜参議院情勢〜

現有議席:5議席
(改選2、非改選3)

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました