今回は、化学の反応熱の種類について解説していきます。
化学反応に伴う反応熱
生成熱
物質1molを成分元素の単体から生成する時に発生する熱量を生成熱と言います。
燃焼熱
物質1molを燃焼させて酸素と結びつけたときに発生する熱量を燃焼熱と言います。
溶解熱
物質1molを多量の水に溶かした時に発生する熱量を溶解熱と言います。ちなみに、熱化学方程式において、多量の水はaqと書きますね!
中和熱
酸と塩基の中和によって1molの水を生成する際に発生する熱量を中和熱と言います。中和熱における基準は水ですよ!
原子に関連した反応熱
結合エネルギー
気体分子にある共有結合1molを切って原子に分けるのに必要なエネルギーを結合エネルギーと言います。共有結合を切るのには大体エネルギーが必要なため、基本的には吸熱反応です。
イオン化エネルギー
気体原子1molのそれぞれの原子から1個の電子を取り出すために必要なエネルギーをイオン化エネルギーと言います。特にこの場合は第1イオン化エネルギーですね。周期表の右上ほど大きくなります。特に希ガス元素は大きなエネルギーが必要です。
電子親和力
気体原子1molのそれぞれの原子が1個の電子を受け取って1価の陰イオンになる時に放出するエネルギーを電子親和力と言います。電子と親和する力なので、この値が大きければ大きいほど陰イオンになりやすいということです。一般に周期表の右上の原子の方が大きくなります。希ガス元素では、電子親和力を考えません。だって閉殻だもん。
格子エネルギー
イオン結晶を気体の構成イオンにばらすのに必要なエネルギーを格子エネルギーと言います。例えば、NaClをNa+とCl–に分ける感じですね。これは、直接求めるのが大変なので、ヘスの法則を用いて考えます。詳しくはまた別の機会に考えましょう…
状態変化に伴う反応熱
蒸発熱
物質1molが蒸発する際に吸収する熱量を蒸発熱と言います。蒸発には熱が必要なので、吸熱反応になるのは当たり前ですね。
凝縮熱
物質1molが凝縮する際に放出する熱量を凝縮熱と言います。蒸発の逆変化になるので、発熱反応になります。
融解熱
物質1molが融解する際に吸収する熱量を融解熱と言います。融解(例えば氷から水の変化)には熱が必要なので、吸熱反応になるのはこちらも当たり前ですね。
凝固熱
物質1molが凝固する際に放出する熱量を凝固熱と言います。これは融解の逆変化になるので、発熱反応になります。
昇華熱
物質1molが昇華する際に吸収する熱量を昇華熱と言います。固体→気体の変化も、気体→固体の変化も昇華と言いますので、これだけは発熱変化と吸熱変化のどちらもあり得ます。
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