無機化学の解説として、族ごとに分けて解説記事を書いています。今回は、16族の酸素と硫黄について解説します。
16族元素とは
16族元素については、O(酸素)・S(硫黄)・Se(セレン)・Te(テルル)・Po(ポロニウム)になります。今回は、この中でも入試頻出の酸素と硫黄について解説します。
酸素
酸素の同素体
大丈夫だと思いますが、酸素O2は空気中で2番目に多く含まれる成分ですね。これは、無色無臭の物質になります。
化学式でO3と表されるオゾンについては、紫外線を吸収することで知られています。もちろんあのオゾン層のオゾンです。近年はフロンガスによるオゾン層の破壊が問題になっていますね。
硫黄
硫黄の同素体
硫黄の同素体については色々ややこしいですね、一つずつ整理していきましょう。
まずは斜方硫黄です。分子式はS8で、色は黄色です。これが常温で最も安定した形になります。
次は単斜硫黄になります。分子式については斜方硫黄と同様でS8になりますが、色は淡黄色です。
最後はゴム状硫黄ですね。これの分子式はSxとなります。色としては褐色ですが、硫黄の純度が高いものについては黄色になっていきます。
硫酸
硫黄の中でも、特によく出る硫酸については個別に解説します。化学式はもちろんH2SO4ですよね。これは大丈夫でしょう。硫酸については、さまざまな性質を持っています。まずは加熱することで大きな酸化力があります。さらに、脱水作用もありますね。
また、硫酸は工業的製法も重要です。名前は接触法というものですね。とりあえず流れを押さえましょう。
〜接触法の流れ〜
S or FeS2 ⇒ SO2 ⇒ SO3 ⇒ H2SO4
二酸化硫黄を三酸化硫黄にする際には酸化バナジウム(Ⅴ)が触媒として必要になります。
二酸化硫黄
二酸化硫黄についても解説しましょう。還元作用と漂白作用があるという特徴があります。熱濃硫酸は酸化剤でしたが、二酸化硫黄については還元剤になります。
また、酸性雨の原因物質の1つでもあります。
まとめ
以上が、酸素・硫黄についての解説です。どちらも入試頻出なので、しっかりと押さえるべきところを押さえましょう。
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